違和感の始まり
同棲を始めて2年。彼は私の前でスマホを気にせず使う人でした。ところがある時期から、通知が鳴るたびに画面を伏せるようになったのです。私が近づくとさりげなく体で隠し、トイレにも必ず持ち込むように。
「仕事の連絡が増えてさ」と彼は言いました。でも転職したばかりで、そこまで忙しいはずがありません。何より、その仕事を紹介したのは私の父だったのです。
「信じなきゃ」と自分に言い聞かせても、違和感は消えませんでした。彼が隠し事をしている——その確信が、日ごとに強くなっていったのです。
友人からの忠告
親しい友人に相談すると、「前から気になってたんだけど」と切り出されました。
「この前、繁華街で彼が若い女の子と歩いてるの見たの。腕組んでて、すごく親しそうだった」
心臓が凍りつくような感覚でした。友人は「見間違いかもしれないから黙ってた」と申し訳なさそうに言いましたが、私の中で何かが音を立てて崩れていくのがわかりました。
あの日から、私は彼の言動をこっそり観察するようになったのです。
