それでも心を打たれる“世界一やさしい嘘つき”の最期
『コードギアス』という素晴らしい作品を長く見つづけてきたひとりのファンとして、わたしにも思うところはあります。
まず、ルルーシュの自己犠牲が倫理的に正しいのか、そして現実に、世界に長い平和をもたらすことができるのかは、わからないとしか言いようがありません。
ただ、世界を救うための方法論として、自分自身にすべての敵意と悪意を集めたうえで死んでみせればいいというやり方は、正攻法とは思えません。ある種、トリッキーなやり口であることは間違いないと思います。
いかにもルルーシュらしいといえばそうですし、しょせん恒久平和などありえない以上はしかたがないことなのかもしれませんが、いつかまた人々の悪意や敵意がせきを切って戦争が起こるのではないかとも考えられます。
その意味では、この世界平和は不完全なしろもの。また、ルルーシュ個人の背負った数知れない罪に対しても、ただ死んでみせればそれでいい、とはいいがたいでしょう。
それから、いくらなんでも強引過ぎるシナリオだという意見を持っている人も少なくないはず。そもそも『コードギアス』という作品はいつも強引なのですが、それにしてもこの展開はあまりに無理がありすぎるかもしれません。
とはいえ、わたしはこの最終回を見るといつも、ルルーシュという「世界一やさしい嘘つき」の最後の嘘に心打たれます。そして、この人殺しで嘘つきの若者に対して、ナナリーが最後にかけた言葉が「愛しています」だったことにも。
『反逆のルルーシュ』放送開始から、2026年でちょうど20年になります。そのあいだ、さまざまな続編や番外編が作られつづけたことは、この作品の凄まじい人気を物語って余りあるでしょう。
だから、いま、わたしは他ならぬあなたの声を聞きたい。
あなたは、この血まみれのエンディングをどう思いますか? 「賛」ですか、それとも「否」でしょうか。
称賛であれ批判であれ、その言葉は20年の時を超えて、この不世出のアニメシリーズを彩ることでしょう。
そして、それは、あのたったひとり世界と戦い、世界を救ってのけた孤独な少年の墓前を、静かに、優しく飾るに違いないのです。

