185万円の行方

(写真:iStock)
騙し騙しながらも、それなりに「良い関係」を築き、なんとか結婚10年目を迎えたと自虐的に話すノリタカさん。
聞けば、貯蓄を引き出した理由も“実家”が関係しているそうです。
「あー…、185万円は実家に工面したお金なんですよ。景気が悪いのに、この物価高ですからね。両親は小さな店をやっているんですけど、うまくいっていなくて。
生活が大変だと聞いたので、年の瀬が近かったし生活費の足しにしてねって渡したんですよ。でもほら、それを妻に言えばまたマウントしてくるし、ギャーギャーうるさいだけだなって思って。だから俺の一存で貯金を出しただけなんです」
妻には絶対言いたくない

(写真:iStock)
妻に親への援助を知られたくないのは、実家の威厳を保つためだとノリタカさんは言います。
「お金を渡したなんて知ったら、あの人のことだからまたウチの実家を見下すでしょうし、大騒ぎするに決まってる。
そんな面倒な事態になるくらいなら、俺が遊興費に使ったってことにしたほうがマシですよ。
そうだなー、キャバクラにハマったとでも言っておこうかな。
まぁ、このまま夫婦仲が戻らなければ、離婚でも俺はいいんですけどね。申し訳ないですけど、もはや妻への気持ちはそんなレベルまで冷めきっちゃっていますから」
◇ ◇ ◇
恋人同士であれ、夫婦であれ100%同じ価値観を有する男女は稀です。ましてや交際前の男女となれば、なおのことです。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。
(並木まき/ライター・エディター)
