プロテニス選手は、高度なショットをいとも簡単に叩き込む。なぜあんなボールが打てるのか? その秘訣をプロ本人に明かしてもらうシリーズ。今回は23年全日本選手権でベスト8入りし、日本ランキングを25位まで上げた住澤大輔選手の2回目。両手バックハンドのダウンザラインについて教えてもらった。
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バックハンドのダウンザラインは、プロ転向後2~3年ぐらいで武器として使えるようになったショットです。それまでは得意というほどではありませんでしたが、武器がフォア1つだけでは通用しません。フォアの次は何だろうとなった時に、自分の試合の動画を見て、バックのダウンザラインでポイントを取るパターンが多いことに気付いたんです。その後練習して質も上がり、今では自信を持って使えています。
このショットのポイントは、第一に足ですね。フォアと違ってバックはクローズドスタンスで入ることが多いので、それほど身体の回転を使えません。だからそのぶん、足からのパワーを利用することが大切です。
この写真を見ると、結構ヒザが曲がっていていいと思います。僕は特に左足のヒザを曲げる意識を持っていますね(写真5コマ目)。ダウンザライン狙いは身体が流れやすい傾向がありますが、左足で踏ん張ると、しっかり止まって打てるため、バランスを保てるんです。
ダウンザラインはクロスよりも正確さが必要で、ちょっとしたズレがミスにつながります。左ヒザを曲げることで、身体の軸を真っすぐに保てて(6コマ目)、ブレが少なくなります。
スイング的には、僕は左手でバックハンドを打つタイプで、右手にはほとんど力が入っていません。左手はこすり上げるのではなく、打ちたい方向に押し出していきます。
これはコースによって異なり、クロスの場合はスピンをかけて高いボールを打つので、ボールをこすり上げる要素が出てきます。でもダウンザラインの場合は、手首はあまり効かせず、シンプルにボールを押し出して“運ぶ”というイメージですね。8コマ目を見ても腕をすぐ巻き込まず、前に出ているのがわかるでしょう。
ボールを押すには足を使わないとパワーが伝わらないので、その意味でも左足のヒザが重要になってくるわけです。ここで左足が浮いた感じだと、押し出す時に身体が流れて、ボールもサイドアウトしてしまいます。
左足を踏ん張って身体が流れないようにブロックし(2コマ目)、その上で右足を踏み込む(4コマ目)。右肩の辺りに壁を作るイメージを持つと、身体を止めてしっかり腕を前に振れます。
【プロフィール】住澤大輔/すみざわだいすけ
1999年1月31日、神奈川県生まれ。178cm、72kg、右利き。頑強なスピンのフォアハンドと、キレのあるバックハンドのダウンザラインが武器。2016年全豪ジュニアに出場し、17年にプロ転向。22年にマレーシアでITFツアー初優勝を飾り、23年の全日本選手権で8強入りした。JTAランク最高25位。複でもITF5勝を挙げている。イカイ所属。
構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2024年6月号より再編集
【連続写真】住澤大輔の両手バックハンドでのダウンザライン『30コマの超分解写真』
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