メジャーリーグのフリーエージェント市場で去就が注目されていたアレックス・ブレグマンが、シカゴ・カブスと5年総額1億7500万ドル(約271億円)で契約合意した。この一報を受けて「FA市場の大物選手のひとりが動いたので、他の大物選手も一気に動き出すだろう」と複数の米メディアが伝えているが、コトはそれだけではない。ヒューストン・アストロズ入りした今井達也の今後にも大きく影響してきそうなのだ。
「ブレグマンは2024年オフ、アストロズからの残留提示を蹴って、2025年2月のキャンプイン直前にレッドソックスと契約しました。アストロズに残留しなかったのは、総額2億ドル規模の年俸を要求したからです。レッドソックスとの契約は3年1億2000万ドルでしたが、ブレグマン側にオプトアウトの権利が保証されていました」(現地記者)
オプトアウトとは、複数年契約の途中でも一定の成績を残せば、契約の見直しや途中破棄ができるというもの。米スポーツメディア「Sports Illustrated」などによれば、レッドソックスは慰留に必死だった。しかしブレグマン側はオプトアウト権を行使し、レッドソックス以上の金額を出せる球団を探し当てたわけだ。
このオプトアウトの権限を利用し、高額年俸を引き出していく作戦を立てたのが、代理人のスコット・ボラス氏。ボラス氏のクライアントには今井もいる。今井は3年総額5400万ドル(約85億円)で、アストロズと契約。当初は2億ドルクラスの契約が予想されていた。
今井もオプトアウト付きの契約だ。今回のブレグマンの動向から「2026年シーズン終了後、ボラス氏が再び動き出す」との声が聞かれるようになった。その交渉次第では、今井も1年で球団を移ることになる。
「日本では5400万ドルの契約と伝えられていますが、アメリカでは『およそ6400万ドルを投じて獲った、期待の日本人投手』として扱われています」(前出・現地記者)
約1000万ドルの開きがあるが、そこには今井が在籍していた西武ライオンズに支払う譲渡金が含まれている。
ポスティングシステムでメジャーリーグ球団と契約した日本人選手の在籍球団には、その契約規模に応じて譲渡金を払わなければならない。今井の場合は997万5000万ドル(約15億6000万円)と計算されている。
今井の契約規模が抑えられた一因に「譲渡金の支払い義務」があったという。これまで多くの日本人選手の代理人を務めてきたボラス氏のことだ。年俸交渉で譲渡金がネックとなることは分かっていたはず。
気の早い話だが2026年オフ、今井が再び米FA市場に名を連ねる可能性は否定できない。
(飯山満/スポーツライター)

