
画像はTVアニメ『メダリスト』キービジュアル (C)つるまいかだ・講談社/メダリスト製作委員会
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現在の人気からは想像つかない「意外な前評判」とは
いまでこそ人気作として知られるアニメのなかには、放送前の評判がいまひとつだった作品も少なくありません。制作会社の事情でクオリティーが不安視されたり、そもそも注目度が低かったりと、現在の人気からは想像しにくい意外な過去を抱えていました。
例えば、つるまいかだ先生の人気マンガ『メダリスト』は、アニメ化にあたって高い再現性が求められる作品でした。フィギュアスケートという題材上、演技のスピード感や身体表現をどこまで映像で表現できるのかが、放送前から大きな注目点となっていたのです。
そうしたなかで、本作の制作会社がENGIであることが発表されると、不安の声が一気に具体化します。『「艦これ」いつかあの海で』や『探偵はもう、死んでいる。』などを手がけてきた同社について、その仕事ぶりを評価する声がある一方で、過去作の印象から慎重な見方をする意見も見られました。
しかし、いざ放送が始まると、そうした心配は杞憂に終わります。3DCGを活用したスケートシーンは臨場感と躍動感にあふれ、視聴者を圧倒しました。またスケートの迫力だけでなく、原作の要点をうまくまとめたストーリー構成も好意的に受け止められています。放送後のネット上に「ENGIさん、疑ってすみませんでしたー!!!」などの謝罪が相次いだのは言うまでもありません。
放送前は「空気」、放送後はその年の「覇権アニメ」に
暁なつめ先生のライトノベルを原作とした異世界転生コメディ『この素晴らしい世界に祝福を!』も、同じく放送前に不安視されていた作品です。公開されたキャラクターデザインが原作イラストと大きく異なっていたことから、当時のSNSには「絵がかわいくない」「なんか違う」といった否定的な意見が目立っていました。
ところが、実際に映像として動き出すと、その印象は大きく変わります。ギャグ寄りの「崩し」や表情変化を積極的に取り入れたキャラクター演出が、セリフのテンポと絶妙に噛み合い、コメディとして抜群のキレを発揮したのです。特に雨宮天さん演じる「アクア」のダメな女神、通称「駄女神」ぶりは強烈で、そこから作品にハマる視聴者も続出しました。結果としてシリーズは、第3期まで制作される人気作へと成長しています。
大ブームを巻き起こした『けものフレンズ』も、いまでこそ2017年の覇権アニメとして知られていますが、放送前はほとんど話題にあがらなかった作品です。2015年に始動したネクソンのアプリゲームは、アニメ放送前にサービスを終了し、「月刊少年エース」(KADOKAWA)で連載されていたコミカライズ版も、放送中の2017年3月号で完結しています。
こうした事情もあり、放送前の期待度は決して高くありませんでしたが、謎多き主人公「かばんちゃん(CV:内田彩)」を軸にしたミステリアスな物語構成や、「サーバル(CV:尾崎由香)」をはじめとするかわいらしい擬人化キャラクター、独特のテンポ感ある掛け合いが次第に支持を集めていきました。一見ほのぼのとした雰囲気ながらも、どこか不穏さをはらんだ世界観も話題を呼び、2017年を代表するヒット作へと押し上げられたのです。
前評判は、あくまで放送前の空気にすぎません。最終的な評価を左右するのは、作品がどれだけ視聴者の心を掴めるかにあるでしょう。次なる「手のひら返し」を見せるのはどの作品なのか、続々とスタートを切っている2026年冬アニメにも期待が高まります。
