『STARDOM in KORAKUEN 2025 Sep.』後楽園ホール(2025年9月27日)
フューチャー・オブ・スターダム選手権試合 ○HANAKOvs妃南×
HANAKOが8度の防衛を誇る妃南を破り、初のフューチャー王座戴冠。試合後、同期のさくらあやが挑戦に名乗りを上げると、HANAKOも受諾し、10月5日に中国・広州で開催される新日本プロレスとスターダムの合同興行『Historic X-over NJPW×STARDOM in Guangzhou』でのタイトル戦が決定的となった。
フューチャー王王者の妃南は9・10後楽園大会で姫ゆりあを破り、7度目の防衛に成功した。試合後、HANAKOが「周りに何を言われようが、私はこのベルトが欲しい」と挑戦表明。妃南はすでに今年5月にワンダー王座挑戦を果たしているHANAKOを「軸がブレブレ」「自分を過大評価しすぎ」と厳しく批判したうえで挑戦を受諾し、札止めとなった後楽園大会のセミファイナルでタイトルマッチが実現した。
体格差を活かして前に出たHANAKOは先制に成功。腰に攻撃を重ね、逆エビ固めで絞め上げる。劣勢が続いた妃南は飛びつき式のネックブリーカーで活路を開くと、STFに捕獲。エルボー合戦や投げ技合戦で激しくせめぎ合うと、感情むき出しになって、馬乗りでのエルボーも打ち合った。
HANAKOは身長を活かしたバックドロップで投げ飛ばすと、アルゼンチンバックブリーカーで担ぎ上げるが、妃南は回転エビ固めで切り崩し、再びSTFで絞め上げた。HANAKOのフロントハイキックで吹き飛ばされても、即座に立ち上がり、変型大外刈りをさく裂。マッドスプラッシュを狙ってコーナーへ。
気づいたHANAKOはフロントハイキックを叩き込んで足止め。雪崩式ブレーンバスターを敢行すると、クラッチを解かずにブレーンバスターを決めたものの、妃南も同じくブレーンバスターでぶん投げてみせる。すぐさま変型ジャックハマーで叩きつけると、妃南はまたまたSTF、さらには変型フェイスロックでギブアップを迫った。残り時間3分を切ったところで耐え抜いたHANAKOの足がロープに届く。
妃南はマッドスプラッシュでトドメを狙うも、HANAKOは下から蹴り上げて迎撃。白鷺に絡め取ると、そのまま振り回して投げ捨てる。粘る妃南は外道クラッチで丸め込むが、キックアウトしたHANAKOはラリアットを一閃。ラストライドで叩きつけた。妃南がギリギリでフォールを返すと「妃南」コールが発生したものの、HANAKOは残り1分のコール直後にJPコースターを繰り出して、3カウントを奪った。
HANAKOが妃南を破り、フューチャー王座初戴冠。キャリアシングル初戴冠を果たすと同時に、NEW BLODDタッグ王座と併せて二冠王となった。
マイクを持ち、「妃南から勝ったぞ!」と勝利の雄叫びを上げたHANAKOは「このベルトをスターダムに入る前からメッチャ欲しかった。何回挑戦してもあと一歩のところで負けて、期限ギリギリになってもうた」と喜びをあらわに。「最初は妃南とも体格差あるし、私にだってフューチャーの可能性があるかもと思ってた。でも、妃南はメチャクチャ強いし、メチャクチャ痛いし、メチャクチャ言葉も鋭いし。この前哨戦期間中、心が折れそうにちょっとなったわ。でもな! 絶対に諦めたくなかった。諦めへんかったから妃南からこのベルトを獲ることができたんや」と妃南にメッセージを送ると、「このベルトを懸けて戦ってくれて、おおきに」と感謝の言葉も口にした。
それを聞いた妃南は「HANAKOはデカいだけじゃなくて、メッチャ強かったよ。試合前もたくさん言い合って、少しHANAKOの心折っちゃったけど、でも今日そのベルトを通してこのリングで戦えて、本当によかった」と本音を告白。悔しさをにじませながらも「今日HANAKOのその活き活きした顔が見れてよかったよ。HANAKOっていうプロレスラーに出会えて心から嬉しいです」と妃南からも感謝の言葉を返し、2人は抱擁を交わした。
妃南と入れ代わるように現れたのはHANAKOの同期・さくらだった。「HANAKO、ずっとこだわってたフューチャーおめでとう。あんたがチャンピオンになったんなら、一番最初に挑戦するのは私以外いないでしょ」と挑戦表明。さくらはNEW BLOODタッグ王座挑戦もアピールしており、それをHANAKOに指摘されるが、気持ちは燃え盛るばかり。「それはそれ、これは別。あんたが巻いたんやったら、うち以外おらんやろ! 私は同期の中でも一番他団体に上がらせてもらって、仙女のジュニアベルトも巻いた。でも、いろんなリングを見てきたからこそ、私はスターダムのリングが一番やと思ってる。スターダムの戦いが一番やと思っている。だからこそ私はスターダムで結果が欲しい。もう誰かの引き立て役も、遠慮も、順番待ちもせえへん。あんたからこのベルトを獲って、私がエースになる」。ほとばしる熱い思いをぶちまけた。
それを受け止めたHANAKOは「ええよ。やったるわ。やるからにははようやりたいな」と受諾。「あんたさ、中国大会出るらしいやん。私も出るねん。まだ2人のカードだけ決まってへんねん。ていうことは、うちらこのベルトやるか?」と『Historic X-over NJPW×STARDOM in Guangzhou』でのタイトル戦を提案する。さくらも「メッチャええやん! このフューチャーの可能性、日本だけで狭いやと思っててん。このベルトの可能性、うちらで世界に広げようや!」と同意。中国大会での対戦が決定的となった。
さくらがリングを降りると、HANAKOは「フューチャーチャンピオンになって、私は月山ともNEW BLOODのタッグベルトを持っている。私はスターダムの若手だけじゃなくて、プロレス界も引っ張っていく存在にもうなる気満々やから。お前ら全員ついてこいよ!」と高らかに宣言。バックステージでは「私はスターダムのヤツらともやりたいし、スターダム以外、海外のヤツらともどんどんどんどんやって、このフューチャーの世界を私が広げていきたい」とこれからのチャンピオンロードを見据えていた。
【HANAKOの話】「ついにフューチャーのベルトを巻くことができました。もうスターダム入るって決めた時から絶対にこのベルトは巻くって決めてて。でも、想像より遅くなってしまった。でも、諦めへんかったから、今こうしてフューチャーのチャンピオンとして私はスターダムのリングに立ってます。ここから期限まで短いけど、私はスターダムのヤツらともやりたいし、スターダム以外、海外のヤツらともどんどんどんどんやって、このフューチャーの世界を私が広げていきたい。そう思ってます。まずはさくらあや。あいつとは絶対にやらなあかんと思ってたし、さくらも同じ気持ちだったみたいなんで、中国できっちり防衛して、日本に帰ってきたいと思います」
【妃南の話】「8度目の防衛戦でHANAKOに負けちゃいました。私がフューチャーのベルトを持った時に、絶対に最多防衛記録を更新するっていう目標があったんですけど、それができなくて、今はすごく悔しいです。でも、悔しいけど、このベルトを通して戦ってきたタバタ、梨杏、八神、アキラ、ゆりあ、玖麗、八神2回目と、そしてHANAKO。いっぱい試合前に言っちゃったことがあったんですけど、でもそれは過去の自分だったり、弱い自分に言い聞かせているところもあって。本当にこのベルトを通して私はレスラーとして成長できた部分が大きいかなって思います。私は新しいステップに進まないといけないんですけど、どのベルトを狙っても私はこのフューチャーのベルトを一生見続けたいし、注目したいです。HANAKOがどんな防衛ロードをするのか楽しみにしています。ありがとうございました」

