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『ミスミソウ』監督の新作映画『ヒグマ!!』公開へ 社会構造の変化が生んだ「アーバンベア」と「闇バイト」が交錯

『ミスミソウ』監督の新作映画『ヒグマ!!』公開へ 社会構造の変化が生んだ「アーバンベア」と「闇バイト」が交錯

社会構造の変化がもたらしたリアルモンスター

 流行語になった「アーバンベア」と「闇バイト」を組み合わせた安直な企画かなと思われがちな『ヒグマ!!』ですが、このふたつのキーワードは決して無関係ではありません。

 地方の過疎化が進み、里山が荒廃したことから、それまで山奥で暮らしていた野生動物たちは里山も自分らのテリトリーにするようになりました。近年は猟友会の人口が減ったこともあり、野生動物の数が膨れ上がり、里山で食べ物にありつけなかったクマたちは、人間が暮らす集落にまで現れるようになったのです。

 かつては人間を恐れて近づかなかったクマですが、「アーバンベア」は農作物や家畜、人間が食べる食料品などの味を覚え、平気で人家に近づくのが特徴となっています。

 一方の「闇バイト」は、それまで裏社会を仕切っていた暴力団が弱体化し、代わって勢力を伸ばし始めた半グレ集団や「トクリュウ」と呼ばれる匿名・犯罪流動型グループが特殊詐欺や強盗の実行部隊(使い捨て要員)として、SNSなどで募集しているものです。「即日即金」「高額」「ホワイト案件」などの甘い言葉で、若者たちを釣っています。

 野生動物が暮らす自然界と人間界は、以前ははっきりと境界があったのですが、緩衝地帯だった里山が消えつつあることで、境界がなくなっている状態です。同じように、裏社会と一般社会は以前はきっちりと分かれていたのですが、今ではその境界があいまいになり、SNSを通して、貧困にあえぐ若者たちが「闇バイト」に関わっています。

 どちらも社会構造の変化がもたらした、現代のモンスターだと言えるのではないでしょうか。

『ミスミソウ』『毒娘』に続くエンタメ映画

 本作を撮ったのが、内藤瑛亮監督というのも注目ポイントです。押切蓮介氏の同名マンガを山田杏奈さん主演で実写映画化した『ミスミソウ』(2018年)、『惡の華』の押見修造氏がキャラクターデザインで参加した『毒娘』(2024年)などの問題作を撮り続けている気鋭の監督です。

 内藤監督の作品は地方都市で暮らす少年少女たちの生きづらさを主題にしたものが多いのですが、社会派ドラマとしてのテーマ性と、劇場映画としての振り切ったエンタメ性を両立させている点も見逃せません。『ミスミソウ』『毒娘』では壮絶なバイオレンスバトルが繰り広げられましたが、『ヒグマ!!』も特殊造形とVFXを駆使したヒグマがものすごい暴れっぷりを見せています。

 自然界の頂点に立つヒグマとの闘いを経て、小山内は自分のなかに眠っていた「生きる力」を目覚めさせ、タフガイへと変貌していくことになります。

 野生グマの凶暴な習性、闇バイトに関わってしまうことの危険性を知る上でも、ぜひ『ヒグマ!!』に注目してください。

映画『ヒグマ!!』
監督・脚本/内藤瑛亮 特殊造形・メイクデザイン/百武朋
出演/鈴木福、円井わん、岩永丞威、上村侑、住川龍珠、占部房子、宇梶剛士
配給/NAKACHIKA PICTURES 1月23日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開
(C)2025 映画「ヒグマ!!」製作委員会

配信元: マグミクス

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