「高支持率の要因の1つは憲政史上初の女性首相が誕生したからでしょう。特に、産経の世論調査では若者世代の実に9割が高市政権を支持するほどの人気ぶりです。2つ目は、高市早苗首相が対中国で強い姿勢を見せたことに参政党や国民民主党へ逃げていた保守勢力が回帰しているのも大きい」(政治アナリスト)
高支持率を背景に高市氏の政権運営も盤石になりつつあるとされるが、そう易々と問屋が卸さないのは世の常だ。通常国会が召集される1月23日以降は、歴代首相が味わってきた有権者の厳しい現実を睨んだ洗礼が待ち受けている。最大の課題は物価高だ。
「この年末年始も食料品などの価格は爆上がり。クリスマスケーキやお餅、おせち料理がいい例です」(生活ライター)
帝国データバンクによると、おせち料理は3~4人前の平均価格が約2万9000円。前年(2024年末)と比べると、約1000円の値上げとなった。
「不漁のイクラは前年比で6割も価格がアップしている。もち米は前年比で約5割高。コーヒーは1袋300グラムがどんどん跳ね上がり2倍の800円前後。一般家庭は悲鳴を上げています」(同)
なぜ、こうも物価は上昇するのか。
「日銀は利上げしたが、昨年末から円安が止まらないのです」(経済担当記者)
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世界市場が高市政権の政策に『ノー』
昨年12月19日、日銀は政策金利を0.5%から0.25%引き上げ、30年ぶりの水準となる0.75%にした。
「日銀の植田和男総裁の会見では“いつ・どのくらいまで”金利を引き上げるかを聞きたかったが、植田総裁は慎重で曖昧にした。そのため市場は当面利上げなしと判断し、一気に円安に動いたのでしょう」(同)
当然、円安加速は高市政権の財政政策ともリンクしている。つまり国際社会、世界市場が高市政権の政策に『ノー』を突きつけたという見方だ。
昨年末に成立した18.3兆円の補正予算のうち6割超は国債の追加発行で補う。閣議決定した2026年度予算案も122.3兆円と過去最高となった。うち国債も過去最大の31.3兆円。これで国の負債額は約1300兆円に膨れ上がった。
「ガソリン暫定税率廃止に代わる財源も不透明なまま。こうした高市政権の財政政策を世界が不安視していることも円安に起因している」(経済ライター)
さらに物価高、円安となれば、高市政権への庶民の不満や失望感は強まり、支持率が下がるのは火を見るより明らか。
「歴代政権トップクラスの高支持率72%(読売新聞)で1993年8月に発足した細川護熙内閣は、長期政権とみられていた。自民党が初めて下野し、政権交代したからその期待も大きかった。しかし、国民福祉税構想で躓き、最後は細川氏の東京佐川急便からの1億円借入金問題が発覚し、細川政権は8カ月の短命に終わった。いかに『蟻の一穴』に注意しなければならないかという教訓だ」(自民党長老)
もちろん、高市氏は電気・ガス料金の補助、子供1人当たり2万円給付、おこめ券など物価高対策の手は打っているが、付け焼き刃的な感は否めない。
いずれ“石破氏を叩いて”渡るしかない
「連立政権を組む維新に加え、年収の壁178万円引き上げでほぼ懐柔に成功した国民民主党、さらに『国旗損壊罪』で参政党を政権に引き込む準備を進めている。これで与党基盤をさらに強固にするとともに、防衛費の大幅増や武器輸出制限の緩和を目指す『国家安全保障戦略』『防衛力整備計画』など安保3文書の改定、スパイ防止法制定を急ぐ。同時に野党が衆院議員定数削減法案などでゴネれば、解散総選挙で自民党単独過半数を取りにいくだけ」(同)
とはいえ、自民党内にも内紛の兆しがある。
昨年12月22日、高市氏は麻生太郎党副総裁、石破茂前首相、岸田文雄元首相、菅義偉元首相の事務所を訪れ会談した。
「高市氏が最初に訪問したのは岸田氏で会談時間は15分、次は菅氏で10分、麻生氏は16分、ラストの石破氏は21分でした。もともと、麻生氏は高市政権のキングメーカーだし、岸田氏は自民党の日本成長戦略本部の本部長、菅氏はパイプのある維新と連立を組んだことで当面の造反は封印した。やっかいなのは、非主流派となり批判の急先鋒と化しそうな石破氏です」(全国紙政治担当記者)
石破氏は講演やメディアで、公明党連立離脱、台湾問題、コメ増産方針見直しなど高市政権批判を展開。高市氏からすれば、まさに“後ろから鉄砲”だろう。
昨年12月23日に放送された特番『ホンネ喫茶@永田町』(フジテレビ系)に出演した石破氏は、元NHKアナウンサーの神田愛花から「もう1回風が吹いたら総理大臣をやりま…」の振りに「しょうか」と回答。そして、「ふさわしい自分でいるかどうかが問題」と付け加えた。
「保守中道の石破氏とタカ派の高市氏は、政策や主義主張が相容れない水と油です。最近の石破氏は国会議員との交流も活発化させている。政局となる党内抗争が勃発するかもしれません」(政界消息筋)
高市氏はいずれ“石破氏を叩いて”渡るしかない。
「週刊実話」1月22日号より
