今年から新設された日本でのPGAツアー「ベイカレント クラシック」。世界のトップたちのスイングはまさに度肝を抜かれるものばかり。
トップ5に入った選手たちのパワー、正確性、再現性、そのクオリティの高さの秘密に迫る。1人目はザンダー・シャウフェレ選手をピックアップ!
やわらかい動きでMAX加速するしなやかスイング

アドレスでは右肩が通常よりもやや大きく下がっています。両腕がよく伸びたままバックスイングをしているので、手を使わずに胸の回転でクラブを動かしているのがわかります。左手の甲のロゴマークが正面からよく見えていますが、クラブフェースはやや地面方向を向いている。つまり、左手のグリップはややストロングになっているということです。

【point】体をしなやかに使ったトップ(写真左)
左ヒザを無理に踏ん張っていないところや、左ヒジが軽く曲がっていて、腕にリラックス感があるところが特徴。体の硬いアマチュアには参考にしてほしいです。切り返しでは骨盤がターゲット方向へ移動する「バンプ」といわれる動作が見られます。この瞬間、左ヒザは外へ向き、骨盤と頭の位置にズレが生じる。体幹部分が側屈し、クラブ軌道はインサイド・アウトになります。

【point】やや強めの側屈だが骨盤の傾きは少ない(写真左)
シャフトが地面と平行に近いポジションでは、ヒザにまだゆとりが見られる。ここからインパクトに向かってヒザを伸ばすことで、ヘッドスピードがさらに速くなります。インパクトでは右ヒジが曲がっているので、胸の正面よりも後方でボールをとらえている証拠。側屈は大きめですが、右カカトを上げることで、骨盤の右サイドが低くなりすぎるのを防いでいます。極度なインサイド・アウト軌道によるフックのミスをケアしているのです。

【point】地面を蹴った反動で足の向きが変わる(写真左)
インパクト後の左足を見るとツマ先が大きくターゲット方向へ向いているのがわかります。左足で地面を前方と左(ターゲット方向)へ蹴り込むことで骨盤は強く方向転換をするのですが、そこに地面を垂直に蹴る力(バーティカルフォース)がかかることで、インパクト後にほんの少し空中に浮くような時間があります。その瞬間に蹴り込んだ勢いで足が回るのです。この踏み込みによって、すさまじい出力を足元から生み出します。
【神ワザPoint】

しなやかな動きから急激にクラブを加速させるスイングのポイントは「ヒザ」にある。バックスイングで少し内側へ入った左ヒザが、切り返しの瞬間にターゲット方向へ向く。回転の可動域を確保し、踏み込んでも骨盤がスライドしないので力強く振り切れる。
2人目は金谷拓実選手をピックアップ!
“激フック”グリップから繰り出すゼロフェースターンスイング

【point】強いフックグリップ(写真左)
まず目に飛び込んでくるのは「これでもか!」というくらいのフックグリップです。親指をもし正面に戻したら、フェースが地面を向くほど閉じているはず。この時点で、これを“中和”するための何らかの動作がスイングのなかでなされることがわかります。バックスイングはとてもきれいで、手や腕を使うことなく体の回転で振り上げていく。もちろん、フックグリップの影響でフェースはかなりクローズな状態です。

深いトップポジションで、シャフトが地面と平行を通り越し、やや垂れた状態に。フックグリップなので、アドレスでは左手首は甲側へ大きく曲がっています。つまり、手の平側への「折りしろ」がとても大きいため、それがトップポジションであらわれているということです。下半身は右足で体重を受け止めているのがよくわかりますが、これは股関節の可動域あってのことです。アマチュアが完全に同じようにマネするのはオススメしません。

【point】右ヒジが畳まれたままインパクトへ(写真左)
切り返し以降、左足がバックスイング中の右足とそっくりな形になっています。つまり、切り返しの初期段階ですぐに踏み込む足が左足に切り替わっているということです。インパクト直前でかなり右ヒジが曲がっていますので、腕は畳まれた状態のままダウンスイングしていることになります。アドレス時のフックグリップがこれによって相殺され、インサイド・アウト軌道、ゆるやかな入射角でインパクトへ向かうことが可能に。インパクト時もやはり右ヒジはかなり曲がっていて、胸をターゲット方向へ向けた状態でとらえているのがわかります。クラブを引っ張り続けることで、フェースの動きをおだやかにしているのです。

【point】フェースがまったく回転していない(写真左)
フォローでの見どころは、やはり腕とフェースの向きでしょう。腕の三角形が見事にキープされていて、胸や肩甲骨の可動域がとても広いのがわかります。フェースはプレーヤーの背中側を向いていて、これはフェースがスクエアのままフォローまでキープされていることを示している。フックグリップでスイングをはじめているので、腕のローテーションが不要なのです。つまりダウンスイング中のヘッドの回転が非常に小さく、方向性を出しやすいスイングであるといえます。
【神ワザPoint】

彼のショットの「方向性」を支えているのが胸の可動域だ。強烈なフックグリップであるがゆえにアームローテーションが不要。インパクトゾーンでは腕の形が三角形に戻りながら、フォローまでその形を一切変えずに胸の回転のみで振り抜かれる。フェースがスクエアな時間が長く、ボールに余計なサイドスピンがかからない。
3人目はアン・ビョンホン選手をピックアップ!

