届く荷物に困惑
彼は几帳面で、お金の使い方もしっかりしている人だった。それなのに、ここ一ヶ月で届いた荷物は七つ。伝票を見ても、差出人は通販サイトの配送センターばかりで手がかりがない。
「ねえ、最近お金使いすぎじゃない?」
ある夜、共有の家計簿アプリを見せながら尋ねた。彼は少し困ったような笑顔で「大丈夫、自分の口座から出してるから」と答えた。その口調は優しかったけれど、どこか焦りが見え隠れしていた。
何を焦っているんだろう。心の奥で小さな疑問が渦を巻いた。信じたいのに、透明だったはずの日常に、うっすらと霧がかかったような感覚だった。
荷物の中身が明らかに
その日、また大きな段ボールが届いた。いつもなら彼が仕事から帰ってから開けるのに、伝票の宛名には「二人で確認してください」という付箋が貼られていた。
震える手で箱を開けた瞬間、息が止まった。中には新しいフライパン、エプロン、夫婦箸、それからオシャレな食器セット。その下には、婚約指輪のパンフレットと、彼の手書きのメモが入っていた。
「ごめん、驚かせたくて隠してた。君との未来に必要なものを、少しずつ揃えてたんだ」
文字を追いながら、涙が溢れた。疑っていた自分が恥ずかしくて、でも嬉しくて、胸がいっぱいになった。
