MotoGP第17戦日本GPのスプリントレースが行なわれ、ドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤが勝利を収めた。
モビリティリゾートもてぎを舞台に行なわれている日本GP。予選では、ここ最近は苦戦続きだったフランチェスコ・バニャイヤが復活を期待させるポールポジションを獲得した。
さらにホンダの母国戦でジョアン・ミルが2番グリッドを確保。そしてタイトルに王手をかけているマルク・マルケスが3番手に並んだ。
そしてMotoGPクラス昇格後初の母国レースとなっている小椋藍(トラックハウス)は13番グリッドと中団からのスタートだ。
9月末としては暑い天気となっているもてぎ。気温は28度、路面温度44度のコンディションでスプリントスタート時刻を迎えた。
全12周の決勝レースはスタート直後のターン1で複数人が絡んだマルチクラッシュが起きてしまった。アプリリアのホルヘ・マルティンがイン側からのポジションアップを狙った際に、ブレーキングで止まりきれず……マシンが暴れてしまいそのまま転倒。チームメイトのマルコ・ベッツェッキがこれに巻き込まれ、クラッシュを喫した。そしてアレックス・リンス(ヤマハ)やヨハン・ザルコ(LCR)などもこの転倒によりコースオフを喫した。
1周目はポールシッターのバニャイヤが順調に先頭をリードし、1周目で後続に対して0.5秒のリードを開いた。2番手はミルとペドロ・アコスタ(KTM)の争いになり、2周目に入るとすぐにアコスタがオーバーテイク。0.7秒先のバニャイヤを追いかける態勢に入った。
一方でタイトルに王手がかかっているマルク・マルケスは4番手と表彰台圏外。ミルに対しても攻めきれない状況で、なかなかオーバーテイクを仕掛けられなかった。5周目にマルク・マルケスは一度ターン10(ヘアピン)で仕掛けていったが、クロスラインで抜き返されてしまい、3番手を奪えなかった。
先頭ではバニャイヤが好ペースで逃げ続けており、アコスタを寄せ付けないままギャップを拡大。折り返し6周目時点で、すでに約2秒差という巨大なギャップを築いた。
3番手争い中のマルク・マルケスは、タイトルに向けてリスクを負う必要は無いはずだが、果敢にアタック。残り5周のターン10でミルを押し出すようになりながらも、ここでオーバーテイクし3番手が入れ替わった。
マルク・マルケスは3番手に浮上した後、2番手のアコスタに急接近。ラスト3周で射程に収める距離まで近づいた。
そしてマルク・マルケスはターン10からバックストレート、90度コーナーにかけてアコスタをオーバーテイク。2番手に浮上した。
ただ先頭を走るバニャイヤは2.5秒差と完全に独走状態。終盤のラップでマルク・マルケスには少し迫られたものの、2秒差を維持してトップチェッカー。今シーズン初のスプリントレース勝利を果たした。2位はマルク・マルケス、3位はアコスタだ。序盤トップ3を争ったミルは、スプリント自己ベストとなる4位フィニッシュとなった。
小椋は13番手から、混乱のあったスタートを切り抜けて10番手に浮上。ポイント圏内となる9位を走るアレックス・マルケス(グレシーニ)を狙っていった。
そしてアレックス・マルケスはラスト2周でミスがあったため小椋がオーバーテイクし9番手に浮上。ラストラップで小椋はチームメイトのラウル・フェルナンデスとのバトルを演じつつも抜ききれず、最後はポイント圏内の9位フィニッシュとなった。
アレックス・マルケスは10位フィニッシュとなり、ノーポイント。兄マルク・マルケスとの差が191ポイントに広がっており、タイトル決定を阻止するためには7ポイント以上、兄よりも多くポイントを獲得する必要がある。つまりマルク・マルケスが決勝で2位となった場合、弟が勝とうともタイトルが決定するということだ。
なおワイルドカード参戦の中上貴晶は、14位でのフィニッシュだった。

