☆怪我に泣いた2025年
横浜から千葉に戦いの舞台を移して早5年。プロ16年目を迎えた国吉佑樹は、忸怩たる1年を過ごした。
2024年はロッテの球団記録となる24試合無失点記録を樹立。41試合登板で3勝1敗1セーブ、ホールドポイント13、防御率1.51と「キャリアハイといってもいい成績でした。何より始めてシーズン通して一軍にいることもできましたので、充実した年でした」と本人も納得の1年だった。
さらなる飛躍を目指してスタートした2025年。しかし歯車は自主トレ終盤で狂った。「最後の方に右のハムを肉離れしてしまって…キャンプはほぼリハビリに費やしました」
ファーム開幕には何とか間に合ったが、4月には肘に違和感を覚え、約1か月の離脱。その後は「ある程度は投げられたのですが、夏前にもまたいろいろ痛めてしまって。8月のアタマには足首に力が入らなくなってしまいました」と負のスパイラルに陥ってしまった。
「球団には早く手術をしたいと伝えたのですが、シーズンが終わるまで待ってほしいと言われまして…」。球団の意向を飲み込んだままシーズン終了。待っていたのは戦力外の知らせだった。「手術やリハビリは球団が面倒を見てくれました」と一定の誠意を汲み取ったが、ドクターから完治を告げられたのは「11月20日でしたね」と師走の足音がしっかりと聞こえる時期だった。
☆後手に回ったオフシーズン
身体さえ万全ならまだやれる自信はある。だがオフシーズンの時の流れは早い。
「結局手術が遅れた分だけ出遅れましたよね。トライアウトも受けられませんでしたし」。34歳の年齢に加え、各球団の補強のルートには乗れなかった。結果が出なければ契約されない厳しい世界では「怪我も自己責任」と現実は理解している。割り切りつつ、次なるターゲットとして海外に目を向けた。
「海外の中でもアジアが希望ではありました。台湾のチームの編成リストに入っていたという話も聞きました。でも手術の遅れで一旦見送りになっている間に、もう他の選手と契約してしまいました、というのも実際あった話です」。ここでも後手に回った感は否めない。
「アジアもちょっと難しいかな」。次に着目したのはアメリカや中南米リーグ。「契約が取れないかと、エージェントにお願いしました」と遠く離れた大陸に活路を求めた。☆恩師の絆も感じメキシコへ
そして年が明けた8日、吉報が届いたのはメキシコの『サルティーヨ・サラペメーカーズ』からだった。
思えば国吉のキャリアを語るうえで欠かせないのは、2017年オフに就任した大家友和コーチとの出会い。メジャー5球団を渡り歩き、通算51勝をマークしたパイオニアの指導は、くすぶっていた大型右腕を開花させる一因となった。
「カットボールの取得だけではなく、技術的な話や海外での経験などいろいろ話してもらいました。その中で大家さんからも『そこを目指して欲しい』なんて言葉ももらい、僕もその気持ちが出てきましたね」
ストーリーは2018年オフに武者修行で参加したオーストラリアンリーグに続いていく。「みんなが楽しんで野球をやっていて。結果だけにとらわれないで自分がやりたいようにできました」。
また移籍先のロッテは吉井理人監督が率いており、大家コーチと吉井監督の関係性もあった。
「メジャーで同じチームでやっていたので、トレードになったときも吉井さんに言っとくよという感じで送り出されました。少なくともその方たちの影響は受けています」
心の奥に持ち続けた海外志向は、メジャー経験者の指導者のもとで、さらに膨らんでいった。
そして現実となった海外での挑戦。大家コーチが目指せと言っていたメジャーとは違う形となったが、「メキシコはどんな野球をやるのだろうかを学べますよね。何を感じることができるのか」と“楽しむ”姿勢を全面に打ち出す。
もちろん不安もある。「治安も良くないですし。アパートに住むのですが、そこから球場への移動はどうするのかとかもわからないですから。野球が終わってから家に帰る道中とかも…。また契約も本当にシビアです。すぐリリースされる可能性もあります」。
それでもそれを凌駕する思いがある。「結果を残せばどんどん良くなる契約です。実力を試したいですよね。外国人ばかりのなかで、日本に来ているようなタイプのバッターなのか、それとも全然違うのかを自分の中で見つけて、研究して、勝負したいですね」
「(昨年は)怪我ばかりで消化不良で終わってしまったことも、引退する気持ちにならなかったところでもありますしね」。その言葉には、ピッチャーの本能が宿る。
その先に見据えるものもある。「メキシコに行くことだけでもマイナスにはならないです。そこをどれだけプラスにできるかは自分次第。より良いものを吸収して持ち帰って来られたら、今後何かに活かせますから」。そこには己を高めてくれた、経験豊富な恩師の姿も重なって見えた。
ベイスターズの暗黒時代に現れた育成出身のパイオニア。進撃ストーリーの第二章は、大陸編へと続いていく。
取材・文●萩原孝弘
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