現地1月11日、バレーボールのイタリアリーグ/スーペルレーガ2025-26シーズン後半4節が行なわれ、男子日本代表の石川祐希が所属するシル スーザ スカイ・ペルージャはヴァルサグループ・モデナとホームで対戦。セットカウント3-1(27-25、19-25、25-21、25-20)で勝利を飾り、リーグ戦での連勝を「8」へ伸ばした。
昨年11月30日から無敗を続けるペルージャの先発は、司令塔がイタリア代表の司令塔シモーネ・ジャンネッリ、OPの元チュニジア代表ワシム・ベンタラ、MBがアルゼンチン代表アグスティン・ロセルとイタリア代表ロベルト・ルッソ、Lは元イタリア代表マッシモ・コラチ、OHにはポーランド代表カミル・セメニウクと元ウクライナ代表・オレフ・プロトニツキを起用し、ミッドウィークにスペインで行われたチャンピオンズリーグ(CL)4回戦からOH1枚とMB1枚を代えた布陣。直近2試合に先発出場したOH石川は出場せずコートサイドで試合の行方を見守った。
〈S:セッター、OH:アウトサイドヒッター、OP:オポジット、MB:ミドルブロッカー、L:リベロ〉
年末のコッパイタリア準々決勝でピアチェンツァに敗れて大会を去ることになったモデナだが、リーグ戦は前半11節から5連勝中で4位につける。セットあたりのチームスタッツでエース数1位(ペルージャ5位)、ブロック数2位(ペルージャ1位)、レセプションAパス成功率2位(ペルージャ9位)にランクイン。昨季プレーオフを6位で終えたため欧州大会への参戦はなく、国内2大会(リーグ戦とコッパイタリア)のみのゆとりある日程を味方につけてチームのレベルアップを着実に進めている。
先発はSアミール・ティジ ウアル(フランス)、個人ランキングでエース部門首位のOPパウル・ブッフェガー(オーストリア)、OHが得点とアタック部門でトップ10入りのベラルーシ代表ヴラド・ダヴィスキバにイタリア代表ルーカ・ポッロ、MBはブロック部門でペルージャのロセル(3位)を抜き2位につけるイタリア代表ジョヴァンニ・サングイネッティと19歳のパルド・マーティ(イタリア)、Lにオーストラリア代表ルーク・ペリーを起用してこの一戦に臨んだ。※ランキングは前節終了時点
ペルージャは第1セット、モデナのOPとMBにエースを許すなどして3点を追う時間が続くが、後半にセメニウクのサーブで3連続ブレークを奪い逆転に成功する。終盤は一進一退を繰り返す大接戦。堅い守備から連続得点を決めた相手に23-24とされるが、2度の危機を逃れてジャンネッリのブロックでセットポイントを握り、最後はアタックの後に転倒した相手OHのパッシング・ザ・センターラインで辛くも試合を先行した。
第2セット前半を僅差のリードで進めたペルージャだったが、モデナのOHダヴィスキバのサーブでレセプションに苦しみブレーク5回を献上して形勢一変。リズムを取り戻せないままこのセットを譲り渡して迎えた第3セット、1点を争う白熱した展開で前半を終えたところからペルージャがギアを上げる。プロトニツキのエースの後にセメニウクがレフト攻撃2発を沈め、ジャンネッリのフェイクセットをベンタラがバックローから叩き込んで18-14。終盤にサーブミスが続き2点差へ迫られたが、即座のサイドアウトで反撃の芽を摘み勝利へ王手をかけた。
第4セットは両者ともブロックとエースが炸裂する激しい競り合いで幕を開ける。試合を動かしたのは、中盤に相手の誤打で一歩前へ出たペルージャ。スライディングで跳び込んだディグやネット際の低いボールをワンハンドで配球するなどジャンネッリの奮闘が得点を呼び込む。さらにプレーが荒くなり始めたモデナにミスが出て15-11。途中、出血が起きた鼻に詰め物をしてプレーを続行したジャンネッリが終盤にエースを決めてリードを広げ、ペルージャが勝利を収めた。
ペルージャと勝点同数で勝利数+1により1位につけていたトレンティーノが今節で3位ヴェローナにフルセットで黒星。勝点3を積み上げたペルージャが首位へ返り咲いた。
石川がコートの外から見届けた試合後、インタビュー取材に応じ、まずはチームの戦いぶりをこのように振り返った。
「僕はここ2試合にスタートから出たので、選手起用のローテンションがあって順番的に今日は先発ではない予定でしたけど、もちろん途中出場の準備はしていました。チームは1セット目少し危ないところからひっくり返してくれましたし、2セット目は取られてしまいましたけど3、4セットは中盤からリードしていい展開へ持っていってくれたと感じています。モデナがかなり良いサーブをバンバン入れてきていましたけど、セメニウク選手、プロトニスキ選手とコラチ選手が(レセプションで)しっかり対応していました。サービスエースを許した場面もありましたが、良いキープをして大きく崩れずに攻撃へ繋げられたので良かったです」
昨季はシーズン後半あたりから戦況によって浮足立つことのあったペルージャだが、今季はこのモデナ戦しかり、劣勢の時間帯も動じることなく冷徹に試合を動かして勝利を手中に収めている。
「3、4点のビハインドがあっても中盤から終盤に逆転することができているというところは、今後のシーズン山場に向けて良い結果へ繋げるための好材料になると思っています」
1月は、すでに終えた日程を含め中2日と中3日で8試合。次戦からは2戦連続で移動を要するアウェー戦に臨む。チームは選手のコンディション管理とパフォーマンスの維持向上を図りつつ過酷な日程を乗り切るため、起用方法の熟考を重ねていることだろう。
「間に世界クラブ選手権が入ったこともあって起用が読めなかったんですが、ここから先は選手を回していくんじゃないかな。2月1週目にコッパイタリアがあるので、そこへ向けてメンバーを固めてくる形になると思います。僕はとにかく出たときに自分のプレーをしっかりやることだけを考えていきます」
少し前にマスクをしている選手やスタッフを見かけた。アンジェロ・ロレンツェッティ監督も感冒などでクラブ内に体調を崩す者が出ていることを気にかけている様子だった。
「なかなかハードなスケジュールで、選手の体調不良や小さな怪我があったりで大変は大変ですね。今日も一緒にコートサイドにいたOHのドノヴァン・ジャボロノク(チェコ共和国)選手が試合中に体調不良になってロッカールームへ下がることになりましたし、、、怪我と体調の管理はしっかり気を配らないと一気にチームの層が薄くなってしまうので、そこは全員が気をつけなければいけないところだと感じています」
1試合前のCLでは、勝敗のかかった第5セットにアタック決定率71%の好パフォーマンスを披露した背番号14。「あんなものじゃない、まだまだこれから!と思っているはず。あの試合でつかんだ感触は?」との投げかけに笑顔でうなずきこう返した。
「そうですね。プレー時間が長ければ長いほど、やっぱり(感覚が)戻ってくるのを実感できますね。フルセットになったことはチームにとって良しとすることではないんですけど個人的にはプレー時間が長くなってくれたので、ふふふ(笑) そこはプラスに捉えてます。5セット目にしっかりと良いプレーができたと思っているので、ここからさらにパフォーマンスを上げられるようにして行きたいと思っています」
舞い込んだ機会を確かにものにした石川。チームを勝利へといざなったあの第5セットは、自身にとって佳境迎えるシーズへの呼び水となったようだ。
取材・文●佳子S・バディアーリ
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