「流れ」に乗りたいのは、中日ドランゴンズも同じだろう。「流れ」とは、球団創設90周年のメモリアルのことだ。2024年の巨人、昨年の阪神はその90周年の年にリーグ優勝している。今年は中日が90周年を迎えた。負けられないシーズンとなるが、
「このオフはいい補強ができたと思います。ドラフト1位で即戦力の呼び声が高い中西聖輝(青学大)、2位で東北福祉大の櫻井信頼之介という2人の投手を指名しました。2024年に西武に在籍していたアルバート・アブレイユも獲得し、メジャーリーグ通算164本塁打を放ったミゲル・サノが加わりました」(名古屋在住記者)
偶然かもしれないが、2025年春の全日本大学野球選手権の優勝投手が櫻井で、秋の明治神宮大会で優勝したのが中西だ。中西は2021年夏の甲子園大会の優勝投手でもあり、そういう意味では中日は「持っている投手」を獲得できた。
「2024年ドラフト1位の金丸夢斗に高橋宏斗もいて、FA移籍が囁かれた柳裕也、松葉貴大が残留しました」(前出・名古屋在住記者)
そして再びクローズアップされているのが、根尾昂だという。先発投手陣のパワーアップが期待される中、なぜ根尾なのかというと「華がある」からだ。
根尾は昨シーズン、1軍戦で4試合しか投げていない。本拠地バンテリンドームで投げたのは5月6日のDeNA戦だけだが、根尾の名前がアナウンスされた途端、球場がことさら盛り上がったのは事実。ビハインドの場面での登板であり、ヒットも打たれたが、ゼロに抑えると中日側の応援席から大きな拍手が送られていた。球場の雰囲気を変える力を持った投手なのである。
メモリアルイヤーには、根尾のような存在が絶対に必要になってくる。
「アブレイユを獲ったのは、救援投手陣の負担を軽くするため。でも外国人選手の出場枠の関係で、アブレイユを外す日が出てきそう。その時に根尾が…」(前出・名古屋在住記者)
根尾は打撃面でも期待が持てる。リリーフで緊急登板させ、そのまま打席に立たせることができるため、井上一樹監督は使い勝手のいいリリーバーと捉えてくれるのではないだろうか。引退した祖父江大輔氏がXで、期待の投手として根尾の名前を挙げ、さらに「営業トークではありません。本心です」と綴っていたが…。
今季はDH制導入前、投手が打席に立つラストイヤー。根尾にとっては、大きく輝くことができる最後の一年かもしれない。
(飯山満/スポーツライター)

