
クーパーが友人の実話を題材にして、繊細でエモーションナル、かつ確かな演出力にいっそう磨きをかけて生みだした本作。2人の子どもにも恵まれ、順調なはずだった夫婦、アレックスとテス。中年にさしかかり、置き去りにしてきたそれぞれの夢が2人の結婚生活を終わりに向かわせる。失意のなか、ニューヨークの街でふと足を運んだコメディクラブで偶然舞台に立つアレックス。彼は夫婦の赤裸々な関係を“笑い”に変えながら、新しい生きがいを見つけていく。4度に渡るエミー賞ノミネート経験を持つ名優ウィル・アーネットが主人公のアレックス、『マリッジ・ストーリー』(19)でアカデミー賞受賞のローラ・ダーンが妻のテスを演じる。また、アンドラ・デイ、キアラン・ハインズ、クリスティーン・エバーソールといったハリウッドで多大な敬意を集める豪華共演陣が極上のアンサンブルを披露する。
さらに、スタッフとして、『マエストロ:その音楽と愛と』(23)でアカデミー賞にノミネートされた撮影監督マシュー・リバティークをはじめ、作曲家には「タルサ・キング」、「オザークへようこそ」のジェームズ・ニューベリー、サウンドチームにはスティーブ・モロー、トム・オザニック、ディーン・A・ズパンシックのほか、デイン・A・デイヴィスが参加するなど、多くのトップクラスのメンバーが集結した。
さらに今回、アレックスの場面写真が解禁。舞台となったニューヨークの街を一人歩くアレックスの姿は、長年の結婚生活の中でいつしかすれ違い、別居生活を送る彼の悲哀をリアルに写しだしている。そんなアレックスが偶然飛び込んだのはスタンダップコメディの世界。ステージの上で自分たちのことを話していくうちに新たな生きがいを見出していくアレックスが店の前で想いを馳せる姿をとらえており、まさに彼の人生の“おわりとはじまり”を描いている。
リアルなニューヨークを舞台に、いまを生きる悩める大人たちに愛する勇気を伝える本作。大人たちに贈るこれからの物語を楽しみに待ちたい。
文/鈴木レイヤ
