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前時代的なサッカー、111年ぶりの不名誉。指揮官交代には賛否両論。迷走するマンUはどこへ向かうのか【現地発】

前時代的なサッカー、111年ぶりの不名誉。指揮官交代には賛否両論。迷走するマンUはどこへ向かうのか【現地発】


 イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッドが1月5日、ルベン・アモリム監督を解任した。同日、U-18指揮官のダレン・フレッチャーが暫定監督に就任することもあわせて発表された。

 クラブが公式に示した解任理由は「プレミアリーグで可能な限り高い順位でシーズンを終えるため、このタイミングで変更を加えるのが適切と判断した」というもの。アモリムへの感謝を強調しつつ、成績向上を意図した前向きな決断であると説明された。

 しかし英メディアの報道を総合すると、実際は単なるタイミングの問題ではなく、複数の要因が重なっていたと見られている。1つ目の要因は、就任から約14か月を経てもリーグ戦で安定した上昇が見られず、特に「昨シーズンの低迷」と「今シーズン序盤の停滞」がクラブ上層部の忍耐の限界を超えたことだ。戦術の柔軟性や試合運びへの疑問も、クラブ内部で強まっていたという。

 もう1つは、補強方針やクラブ運営を巡ってスポーツディレクターや幹部との意見の食い違いが深刻化していた点にある。解任直前の記者会見で、アモリムはクラブの他部門に対し「それぞれの部門が自分の仕事をすべきだ」と発言した。これがスカウト部門やスポーツディレクターの仕事に不満を示したと受け止められ、解任の決定打になったようだ。
 
 2013年のアレックス・ファーガソン退任以降、ユナイテッドは今回で6人目の正式監督解任となった。暫定監督を含めると、実質12年で職を解かれた指揮官は10名にのぼる。名門クラブが長期的な低迷期から抜け出せずにいる現状を、端的に物語る数字だろう。

 そこで解任発表後のSNSを覗くと、指揮官交代には賛否両論が渦巻いていた。

 一部ファンは解任を歓迎し、「クラブが変わるきっかけになる」と期待を寄せていた。しかし一方で、突然の決断に不満を示す声の方がむしろ目立ち、「改善どころか悪化している」「立て直せるのか、また不安だ」「クラブ首脳陣の方向性が見えない」といった厳しい意見が多く見られた。
 
 それなら、スタジアムに集まるユナイテッドのファンは、どのように感じているのかが気になった。アモリム解任後のユナイテッドは暫定政権で2試合を戦っているが、最初のホームゲームとなったFA杯3回戦のユナイテッド対ブライトン戦を現地で取材した。

 たとえばサポーターの観戦ボイコットがあっても不思議ではない状況のように思えたが、この日もスタンドはほぼ満員の7万3888人で埋まり(収容人数は7万4197人)、冷ややかな反応はなかった。選手たちが姿を見せると、やはりスタンドから大きな歓声が湧き起こった。

 気がつくと、スタンドでは「Take Me Home United Road」の大合唱が始まり、「僕が属する場所、ユナイテッド・ロードへ。ユナイテッドを観るために、オールド・トラフォードへ」の応援歌がこだました。

 そして場内では、メンバー発表に移る。スタメンに目をやると、下部組織出身のコビー・メイヌーが約4か月ぶりに先発出場。アモリムとの確執も噂されたメイヌーだが、昨年8月28日のリーグ杯2回戦以来となる先発となり、若手育成に携わってきたフレッチャー暫定監督の意向もうかがえた。
 
 そのフレッチャーが採用したのは、4-2-3-1のフォーメーション。アモリムがこだわり続けた3バックは取りやめられ、フレッチャー暫定政権では2試合連続で4バックが用いられた。しかし試合が始まると、ユナイテッドファンが沈黙する時間が次第に長くなっていく。

 浮かび上がったのは、前時代的と言えるユナイテッドの戦いぶりだった。まるで15~20年前にタイムスリップしたかのような、極めてオーソドックスな戦術である。両サイドバックがタッチライン際を駆け上がり、ひたすら上下動を繰り返す。ビルドアップ時にはセントラルMFの一人がCBの間に入り、最終ラインを3枚にしてパスを回す。基本的な約束事は、これぐらいのように見えた。

 選手たちはシンプルな戦術にやりやすさを感じていたはずだが、プレー内容もまた極めてシンプルだった。就任からわずか6日で試合日を迎えた「暫定政権」と言ってしまえばそれまでだが、それにしても、あえてこのタイミングでアモリムを解任した理由がよく分からない戦い方だ。攻撃は、選手個々の即興性、創造性に委ねられているように見え、「これならアモリム続投でも良かったのでは?」と思わざるを得なかった。
 
 実際、ピッチでは苦戦が続いた。立ち上がりの12分に先制点を許すと、64分には元ユナイテッドの35歳FWダニー・ウェルベックに追加点を奪われ、2点を追いかける展開となる。

 さすがにユナイテッドサポーターも苛立ちを見せ始めたが、失点後にスタンドから沸き起こったのは「アタック! アタック! アタック!」の大合唱だった。とにかく攻めろ、戦う姿勢を見せろ――そんなメッセージが込められていた。

 そのなかで印象に残ったのが、62分にユース出身の18歳FWシェイ・レイシーが投入された際に、スタンドからひときわ大きな歓声が起きたことだ。「攻めろ」という声に呼応するかのように、レイシーは80分にミドルシュートを放ち、ファンから大きな拍手を浴びた。

 しかし若さが仇となり、89分に2度目の警告を受けて退場処分に。2枚目のイエローカードは、判定に納得がいかず、ボールを地面に叩きつけるという軽率な行為によるものだった。それでも、選手通路口へ向かうレイシーに向けられたのは罵声ではなく拍手だった。少なくとも戦う姿勢を見せたことを、オールド・トラフォードの住人たちは評価したのだろう。

 試合は1-2で敗戦。これによりリーグ杯、FA杯ともに早期敗退が確定し、ユナイテッドの今季公式戦は年間わずか40試合となった。これは1914-15シーズン以来の最少試合数。当時は第一次世界大戦の影響でシーズンが38試合に短縮されていた。欧州カップ戦にも不参加の今季は、111年ぶりの不名誉なシーズンとなった。
 
 それでも試合後、ファンはクラブ愛を貫いた。

 試合終了のホイッスルと同時に響いたのは、勝利したブライトンファンの歓声。その後、一部のユナイテッドサポーターがブーイングする場面もあったが、その声は小さく、多くのファンは拍手と声援で選手たちを激励していた。

 ユナイテッドの首脳陣は、これほどまで厳しい状況でも懸命に支え続けるサポーターに感謝すべきだろう――。“夢の劇場”オールド・トラフォードで、そんなことを強く感じた。

 なお試合から2日後の1月13日、クラブOBのマイケル・キャリックが暫定監督に就任すると発表された。果たしてこの策は、停滞するユナイテッドにどのような変化をもたらすだろうか。

取材・文●田嶋コウスケ

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配信元: SOCCER DIGEST Web

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