【日日更年期好日】
腰痛に怯える日々

(写真:iStock)
30代から腰が悪い。人生で2回ほどぎっくり腰を経験して、痛めた現場(右腰)へ常に危惧を抱えながら生きている。座業である以上、腰の痛みとの戦いは終わらない。2回とも同じ鍼灸院で治療をしてもらい、定期的に通っている。一部は健康保険が適用されるとはいえ、毎回、3000円〜7000円の治療費がかかる。年間で10万円近くの出費だ。
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体調、体型を崩しがちな50代。腰のこともずっと気になっていた。このままマッサージをして、鍼を打って、お灸をすえて、電気で温めて…を繰り返していくのは、どこか不毛さを感じる。思い立った私は腰痛へのアプローチを変えた。今までは東洋医学に頼り切っていたけれど、西洋医学から治療を試みるのもいいかもしれない。思い立ったが吉日、評判のいいスポーツ外科が近所にあったので、足を運んだ。
以前、この連載でも触れたが、座り癖や運動不足などにより、私の右腰の骨の一部には、隙間が空いているらしい。それを埋めるためには筋肉が必要であると、医師は言う。

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「先生、筋トレをしろと?」
「いや、自発的に動くようにリハビリをしましょう」
そう言われて、外科の二階に誘導された。そこはリハビリルームとなっており、10台近くのベッドや多くのスタッフがいた。いつも通っていた鍼灸院にはベッドが3台だった風景を思い出すと、かなり迫力がある。そして施術を受けているのは、私の母親と同年代と思しき高齢者ばかり。先ほど診察を受けている際に、医師のデスクにあったPCにリハビリ患者のリストがずらっと並んでいるのを見たが、ほとんどが60〜80代。50歳の私なんて若手だ。
「今後、小林さんを担当させてもらいます。よろしくお願いいたします」
にこやかな女性が私の施術を担当してくれるらしい。この日、ぎっくり腰の恐怖を抱えた右腰を温めて、背中から腰にかけてEMSで電気療法、その後マッサージ。担当の整体師から自宅でやってほしいと、簡単なケアを指示された。深い腹式呼吸で横隔膜を動かし、足をブラブラと揺らして、筋肉の緊張を解くだけ。難しくはなかった。
ご、500円!?

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驚いたのはその後。リハビリを終えて会計をすると、受付で求められた金額は
「500円です」
だった。は? は? は? 500円?
「間違えてないですよね?」
再度、受付スタッフに聞き直してしまった。なぜなら安すぎる。鍼灸院と同じような治療だったのに、費用は10分の1に満たない。今まで他のマッサージも受けたけれど、同様の金額だった。そしていつも「小林さん、凝りすぎです。肩がパンパンです」と常套句のように凝りを注意されていた。では今日は? と思い返すと整体師からはそんなことは言われず、今後どうやって筋肉をつけて、治療を卒業していくのかを話された。
「筋肉をつけて好きなスポーツができるようにしましょうね」
私は腰の痛みの影響で、好きな水泳も腰に負担がかかると医師から止められていた。筋肉さえつけられることができれば、復活できるとも。一気にさまざまな思いを巡らせながら、500円の支払いを終えて、病院を後にした。金額に感動もしたけれど、もうひとつは1階で診察、国の保険をしっかりと使って、多くの中高年が安価にリハビリを受けられるシステムを構築した院長のビジネス手腕にも感動した。

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最近、完治を目指して、整体師との会話を楽しみながら週一回のペースで通院している。今までは月に一〜二回程度の治療に留めていたが“500円”であれば、治療費を気にする必要もない。たまたま私はいいスポーツ外科に出会ったけれど、おそらく日本全国のどこかの外科でも受けられるはずなので、気になる人はぜひ検索を。使えるものは使ったほうがいいもんね。
(小林久乃/コラムニスト・編集者)
