先日、故ジュール・ビアンキの父であるフィリップ・ビアンキは複数のカートが盗難にあったと報告したが、その内ジュール・ビアンキのカートが無事見つかったという。
盗難に遭ったのは、2014年のF1日本GPの事故でこの世を去ったビアンキが、シングルシーターへ転向する前に最後にレースで使用したカート『KZ 125 ART GP』を含む9台。父フィリップの当時の投稿では、金銭的価値以上に「思い出としての価値が傷つけられたことが辛い」としていた。
またかつてビアンキのメカニックを務めた友人のドミニク・ギリエンも、盗まれたカートはカートコースでは使用不可能なもので商業的価値はほとんどないとした上で、「正しいことをするのに遅すぎることはない。彼の家族に返せる場所に、この機材を戻すんだ。彼らのためにそうしてほしい」と犯人に呼びかけていた。
そしてこの度、父フィリップはFacebookを更新。息子のカートが見つかったと報告した。
「ジュールのカートが見つかったことを、この上ない喜びとともに報告する。家族全員、非常に安堵している」
「SNSで情報を拡散してくれた方たち、情報を広めてくれたメディアの方たち、そして迅速に対応してくれたブリニョール警察署に心から感謝したい」
「まだ数台のカートとミニバイクが見つかっていないが、皆さんのおかげで大きな希望を持つことができている。ジュールよ、永遠に」
ビアンキは、その将来を嘱望されながらも事故で命を落とした悲運のレーシングドライバーだ。
ビアンキは2007年にジュニアフォーミュラへステップアップし、同年にフランスのフォーミュラ・ルノー2.0でチャンピオンに。2009年にはF3ユーロシリーズを制した後、GP2(現FIA F2)でも好成績を残して2013年にマルシャからF1デビューを果たした。
2014年はマルシャでポイントを獲得するなど健闘したが、雨のレースとなった日本GPでコースオフし、車両回収中の重機と衝突する事故に見舞われた。ビアンキは緊急手術を受け、人工昏睡状態に置かれたが、9ヵ月後に帰らぬ人となった。
この悲劇を教訓とし、FIAは2018年からF1および他のFIA公認シングルシーター選手権において、頭部保護デバイスHALOの装着を義務化した。

