
『恋する惑星』(94)、『花様年華』(00)など数々の傑作を生みだしてきたカーウァイが初のテレビドラマに挑んだ本作。中国文学界の最高峰、茅盾文学賞を受賞した金宇澄の同名小説をもとに、準備期間7年、撮影期間3年をかけて作り上げられた。1990年代の経済隆盛時代の上海を舞台に、一獲千金を夢見る青年が成功と失敗を繰り返しながら、経済界でのし上がっていく姿が描かれる。2023年末に中国で放送されるや、地上波主要4チャンネル同時1位、Doubanスコア8.7点など、視聴者だけでなく評論家からも絶賛を浴び、一大ブームを巻き起こした。
貧しい青年から財界の大物へと上り詰める主人公、阿宝を、映画『来し方 行く末』(23)のフー・ゴーが演じる。阿宝を巡る3人の女性の役で、マー・イーリー、ティファニー・タン、シン・ジーレイという中国を代表するトップ女優が共演。撮影監督を務めたのはアカデミー賞撮影賞受賞のピーター・パウで、カーウァイの映像美学を見事に画面に刻み込んだ。また、きらびやかなネオンサインから細かな小道具に至るまで徹底的な時代考証を施し再現された1990年代の上海の華やかな街の姿も必見だ。
また、あわせて放送される「『繁花』日本初上陸!ウォン・カーウァイ監督特集」はWOWOWシネマ、WOWOWオンデマンドにて開催。『天使の涙』(95)が3月16日(月)に放送されるほか、『ブエノスアイレス』(97)、『2046』(04)、『花様年華』、『恋する惑星』を放送。また、WOWOWオンデマンド限定で、フー・ゴー主演「琅琊榜-麒麟の才子、風雲起こす」、ティファニー・タン主演「マイ・サンシャイン~何以笙簫默~」マー・イーリー主演「私の阿勒泰<アルタイ>-To the Wonder-」もそれぞれ配信予定だ。
1990年代の上海を舞台にした華麗な叙事詩を、カーウァイはどのように映像化したのだろうか?ぜひ本作を放送配信で楽しんでほしい。
文/鈴木レイヤ
