MotoGP日本GPで小椋藍はスプリントレースを9位フィニッシュ。レース内容には及第点を与えた一方で、予選ではQ2進出の可能性があったことを明かした。
母国での凱旋レースを迎えた小椋は、予選ではQ1敗退の13番手だった。しかしスプリントでは、スタート直後のターン1で発生したマルチクラッシュも上手く切り抜け、10番手に浮上した。
スプリントを通じて9番手を走るアレックス・マルケス(グレシーニ)を追いかけた小椋だったが、終盤にマルケスがミスをしたことで、楽々オーバーテイク。ラストはチームメイトのラウル・フェルナンデスと戦いつつの9位フィニッシュだった。
「レースは良かったですよ。ターン1ではアクシデントがあって、僕もかなり近かったんですが、ラッキーなことに僕はなんともありませんでした」
小椋はそう語る。
「それからアレックスがミスをしてくれたことで、楽に追い抜くことが出来ました。その後はラストラップにラウルを狙っていきましたが、彼はディフェンスが上手いですからね。だから(9位は)満足です」
そんな小椋だが、予選Q1ではセッション最後にペースよくアタックしている際、ライバルの転倒による黄旗の影響を受けてしまった。
小椋はこういった事態は仕方ないと受け入れているが、もしアタックを完遂できていれば、Q2進出にも十分だったはずだと自信を伺わせた。
「セクター3と4は黄旗の状況で転んだら面倒なことになると思い、攻めることはできませんでした」と小椋は言う。
「このふたつのセクターは楽に走っていて、まだ改善の余地はありました。黄旗がなければ、(Q2に行くのに)十分な良いタイムが出せたと思います」
なお小椋は第16戦サンマリノGPで転倒したことで右手を負傷しており、日本GPでは初日よりも2日目のほうが状態としては良くないという。そして、痛み止めも「飲んでも痛いならいいや」と飲んでいなかったと小椋は明らかにした。
しかし手の状況に集中しなくてはいけない状況は、普段よりもプレッシャーのかかる母国戦に挑むにあたり、小椋にとって意外なプラス作用もあったようだ。
「たくさんの人が(自分の)Tシャツなりキャップなりを身につけてくれているのが見られるのは良いですね」と小椋は語る。
「(でも母国のプレッシャーは)無かったです。もしかしたら手の状況に集中する必要があったからかもしれないです。そこは怪我の良い点だったかもしれません(笑)」
「明日は同じようにいいスタートを切って、自分のレースをして、どの位置になるかですね」
「決勝のタイヤはスプリントとは異なり、ほぼリヤにミディアムを履くことになると思います。ラウルがミディアムを使っていたので、データは確認するつもりですが、助けになるかどうかは微妙です」

