
トミー・バストウさん(時事通信フォト、2025年2月22日撮影)
【画像】え…っ! 「めっちゃ似合ってる」「カッコいい」 コチラが小泉八雲の「羽織袴」の和装姿です
熊本で変わる?
2025年後期のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』は、1890年に来日し、『知られぬ日本の面影』『怪談』などの名作文学を残した小泉八雲さん(パトリック・ラフカディオ・ハーン)と、彼を支え、「再話文学」の元ネタとなるさまざまな怪談を語った、妻・小泉セツさんがモデルの物語です。
第15週「マツノケ、ヤリカタ。」では主人公「松野トキ(演:高石あかり)」と夫「レフカダ・ヘブン(演:トミー・バストウ)」たちが、立派な武家屋敷に引っ越して同居を始めました。
週タイトル通り、ヘブンは松野家のやり方に従うといい、日本の生活に慣れようと必死になっています。しかし、73話ではヘブンが遅く帰宅するようになりました。
ヘブンは松江中学の同僚「錦織友一(演:吉沢亮)」と話していたと言いますが、翌日、トキは中学に行ったはずのヘブンの専属車夫「永見(演:大西信満)」が街中にいるのを見付けます。そして、永見はトキに問いただされ、ヘブンが本当は「山橋薬舗」にいることをしゃべってしまいました。
※ここから先の記事では『ばけばけ』のネタバレに触れています。
続く74話のあらすじを見ると、トキは山橋薬舗に行くも、そこには店主の「山橋(演:柄本時生)」しかおらず、ヘブンは見付からないそうです。
SNSでは、これまで無理をしている様子だったヘブンに関して
「ヘブン先生、ビアーと西洋の食べ物で寄り道してるのかな」
「料理が口に合わないのかも? 魚やしじみ汁や野菜ばかりじゃ、西洋人だもんキツいよ。洋食を何か食べさせてあげなよ」
「お魚が辛くなって山橋薬舗で錦織さんとビール飲みつつお肉を食べてるとか?」
と、舶来のものを多く扱っている山橋薬舗で洋食を食べているという予想があいついでいました。
実際、75話のあらすじを見てみると、
「山橋がシェフとして料理をふるまう山橋西洋料理店にヘブンはコソコソ通っていたのだった。錦織との打ち合わせとウソをつかれ、さらに自分の料理は食べず西洋料理を味わうヘブンに、トキは怒り心頭」
と書かれています。
ヘブンのモデルであるラフカディオ・ハーンさんは、妻の小泉セツさんが手記『思ひ出の記』のなかで「食事は日本料理で、日本人のように箸で食べていました。何事も日本風を好みまして、万事日本風に日本風にと近づいて参りました。西洋風は嫌いでした」と語るほど、日本の風習を大事にしていた人物です。
しかし、40歳で日本に来たハーンさんは慣れ親しんだ西洋の食の好みは変わらなかったようで、『思ひ出の記』のなかでも「食物や嗜好品ではビステキ(ビフテキ)とプラムプーデン(プラムプディング)」と書かれていました。
また、1891年11月に熊本に引っ越してからは、日本食中心の食生活が変わったそうです。ハーンさんたちのひ孫で、小泉八雲記念館の館長である小泉凡さんは著書『セツと八雲』のなかで、松江時代に日本食中心で体調を崩したハーンさんが、熊本では洋食を食べるようになり、9kgも太ったことを語っています。
西洋化が進んでいた熊本市は肉やチーズ、ビールなどが手に入りやすく、ハーンさんは雇った料理人に自宅で洋食を作ってもらっていました。また、朝はゆで卵を2、3個を食べた後、ブランデーを飲んで学校に行っていたといいます。ハーンさんは西洋式の熊本の街並みは嫌いだったものの、食事の面では助けられていたようです。
すでに中年のヘブンも、日本食中心の生活に切り替えるのは、難しいと思われます。第20週から始まる「熊本編」では、夏目透羽さん演じる「クマ」という女中が登場し、「毎朝一家全員分のパンを焼く」ことが発表されました。今後は、松野家側がヘブンの食事に合わせていくようです。
※高石あかりさんの「高」は正式には「はしごだか」
