毎年何かしらの故障で戦線離脱を強いられ、“ケガに弱い選手”というイメージが定着してしまったニューオリンズ・ペリカンズのザイオン・ウィリアムソン。そんな2019年のドラ1も、今季で6シーズン目を迎える(2021-22シーズンは右足骨折により全休)。
ブランドン・イングラム(トロント・ラプターズ)やCJ・マッカラム(ワシントン・ウィザーズ)ら頼れるベテランがチームを去り、ザイオンはリーダーとしての責任も背負うことになるが、先日開催されたメディアデーで新シーズンの抱負を語った。
リーダーとして責任ある立場を担うことにプレッシャーを感じるかという問いには、「まったくない」と即答し、次のように続けた。
「そうした役割を担うプレッシャーは全く感じていない。ブランドン・イングラム、CJ・マッカラム、ラリー・ナンスJr.や、NBAキャリアの中で出会ったベテラン選手たちには感謝している。
とりわけCJには大きな感謝を伝えたい。彼は本当に多くのことを教えてくれた。振る舞い方や、動き方、どういった時に声を出すかなど、本当に多くのことを学ばせてくれた。だから自分がその役割を受け継ぐことへのプレッシャーは感じないと思う」
今オフ、チームにはジョーダン・プールとケボン・ルーニーが加わった。両者はゴールデンステイト・ウォリアーズでチャンピオンリングを手に入れた優勝経験者だ。
「彼らのような存在は本当に助けになる。彼らには優勝経験がある。まさに俺たちが目指すところだ。彼らはただ優勝しただけじゃない。その過程を経験し、プレーオフを戦い抜いた。そのエネルギーを肌で感じ、生き抜いたんだ。それは、実際に成し遂げた者しかできない体験だ」
ザイオン曰く、ルーニーは“アイアンマン”だという。
「彼のリバウンドの取り方、あれは運なんかじゃない。ディフェンスでもオフェンスでも、彼はあらゆることを戦略的に考えてプレーしている。彼から学びたいことがたくさんあるよ。相手と競り合う時の細かい動きとか、フットワークとかね」
もう1人のプールについては、トランジションや、ペリカンズのお家芸であるスピーディーな展開において、「俺たちとのプレーの相性が良いと思う」と期待を寄せている。
とりわけ、今季のチームに多大な影響を与えそうなのは、4月に副会長に迎えられたジョー・デュマースの存在だ。
デュマースと言えば、1980年代に“バッドボーイズ”の名で一世を風靡し、1989、90年に2連覇を達成したデトロイト・ピストンズの主力メンバーだ。 ザイオンはこの夏、デュマース、そして、彼と同時期に迎えられたトロイ・ウィーバーの2人の新幹部との関係性を構築することにフォーカスしたと語っている。
「ジョーとトロイと、じっくり腰を据えて男同士の話をした。俺は彼らに言ったんだ。『あなたたちを絶対に失望させない』とね。彼らがそこまで俺に信頼を寄せてくれたことは、本当に力になった。彼らは俺に責任感を求めるけれど、それと引き換えに多くの役割を与えてくれる。自分はその期待に応えるだけだ」
デュマースが入閣したことにより、オフのトレーニングにも絶大なインパクトを与えた。
「ジョーがトレーニング場にもたらしたエネルギーを見れば、いかに本気モードかがわかる。甘っちょろい意識でいる奴は誰もいない。もう、本気でやる以外ないんだ。それがバッドボーイズのメンタリティってやつかもしれない。審判に泣きつくような真似なんかしない。文字通り、ただやるのみだ」
メディアデーのザイオンは身体も引き締まって見えたが、昨年、ハムストリングのケガで欠場時に、チームのトレーナーと「故障前よりも良い状態で復帰する」と目標を立て、そこから計画的にコンディション調整を行なってきた。
ボクシングやフットボールグラウンドでのワークアウトなど、様々な工夫をこらしたトレーニングをすることで楽しみを覚えると体調も良くなり、プロ入り以降は一度もなかった快調さを感じるようになっていった。
そんなザイオンには、心に秘めた今季の目標があるようだが、取材陣の前で明かすことはなかった。
「それは自分の中に留めておくよ。もし実現できた時に、どう祝うかはもう決めているんだ」
新たなモチベーションを手に入れたザイオン。心身ともに充実した状態で臨む今季、ペリカンズを2年ぶりのプレーオフへと導くことができるのか、注目が集まる。
文●小川由紀子
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