
『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(22)、そして「スパイダーマン」シリーズを生みだすなど、ヒーロー映画の名手として名高いライミ監督だが、彼の原点は『死霊のはらわた』(81)。シンプルな舞台設定と極限状態における人間の恐怖を革新的な演出によって形づくられた1本は、限られた空間、少人数、そして極限状況というシンプルな構造を革新的な映像演出で昇華させ、ホラーの常識を覆した。本作は、そんなライミ監督が、「もしもパワハラ“クソ上司”と無人島で2人きりになったら?」を軸に、2人の立場が次々と逆転する先に待ち受ける大どんでん返しを描く、ノンストップ“復讐エンタテインメントとなっている。
無人島に漂着すると、職場ではパワハラをしてきた上司のブラッドリー(ディラン・オブライエン)が怪我で動けない状態に。対する部下のリンダ(レイチェル・マクアダムス)は、持ち合わせたサバイバルスキルを遺憾なく発揮していく。映像では、リンダがあっという間に火を起こし、食料を確保し、草木で立派な寝床も作りあげ、いとも簡単に立場が逆転していくさまが描かれている。その様子は、演じたマクアダムス自身も「楽園」と形容するほどに痛快なものになったそうだ。

完成した本作について、マクアダムスは「ダークでユーモアな世界観が監督らしさにあふれている」、そしてディランは「サム・ライミにしか作れない」と語り、サム・ライミワールド全開の作品へと仕上がっていることを予感させる。
随所にちりばめられた監督の世界観、そしてストーリーが進むにつれ次々とジャンルが変化していき、観るものへの衝撃が待ち受ける、その予測不能な結末とは?ぜひ、その目で確かめてほしい!
文/サンクレイオ翼
