確かめずにはいられない!

パソコンを開くと…(写真:iStock)
慌てて電話をかけても、出てくれなかったという。仕事始めに顔を合わせても、事務的な会話のみ。夜遅くまで、冴子さんと涼一さんが一緒に残っている姿が目についた。
――結果、輝明さんはしてはならない行為に踏み込んだ。
「彼女の留守中、合鍵で部屋に入ったんです。もう2カ月、家に入れてもらっていませんでした。
犯罪だと分かっていましたが、何か確かめずにはいられなかった。クローゼットを開けると、見覚えのあるネクタイがあったんです。冴子が『センスがない』と言っていた、涼一のネクタイでした」
嫌な予感に駆られ、パソコンを開く。LINEはスマホと同期されており、パスワードも知っていた。
生々しいやり取りに愕然

あんなダメ男に…(写真:iStock)
「画面に出てきたやり取りは、あまりにも生々しかった…読み進めるうちに、胸の奥が冷えていくのが分かりました。
――涼くんのおかげで、クライアントも大喜びよ!
――冴子先輩のご指導のおかげです。ありがとうございます。
――今週末も泊まりに来る?
――いいんですか?
――涼くん、タフだから困っちゃう(笑)
――すみません…。
――冗談よ。仕事も、ベッドの時くらい頑張って。
――了解です」
読み終えた瞬間、輝明さんの口から乾いた笑いが漏れた。
「信じられませんでした。あんな年下の、ダメ男に奪われるなんて。僕が背中を押したのか、それとも…所詮は不倫だから、独身男に乗り換えただけなのか。社内でも高嶺の花だった彼女が、まさか…」
輝明さんはパソコンを閉じ、部屋を見渡した。かつて2人で過ごしたベッド。ダイニングテーブルやソファー――すべてが、もう自分の居場所ではなかった。
