不倫の別れはある日突然やってくる

(写真:iStock)
輝明さんは続ける。
「上司であり、既婚者ですから、別れは受け入れるしかありません。合鍵は封筒に入れて、オフィスの彼女のデスクに置きました。
何も知らない涼一が『冴子先輩』と呼ぶたび、胸が痛みます。でも…耐えるしかないですね。不倫はどちらかの愛情が切れた時、ある日突然やってくるのだと、しみじみわかりました」
輝明さんは寂しそうに微笑んだ。その沈黙が、不倫の残酷な現実を物語っていた。
彼女は、ただ「将来の見えない恋」を終わらせただけだったのかもしれない。
(蒼井凜花/作家・コラムニスト)
