レッドブルは2026年F1パワーユニット(PU)の圧縮比が規定内であると確信しており、レッドブル・パワートレインズのディレクターであるベン・ホジキンソンは、最近の論争について「大したことがないのに大騒ぎだ」と述べている。
まもなくデトロイトでのローンチイベントが開催され、2026年のカラーリングが発表される。これにより、レッドブル・パワートレインズとフォードの提携が正式に開始さるわけたが、実際にはエンジンプロジェクトの作業はミルトンキーンズのレッドブル・キャンパスですでに過去4年間にわたって行なわれてきた。
問題は、新規参入のPUマニュファクチャラーとして、レッドブル・パワートレインズが最初からどれだけ競争力を発揮できるかということだ。特に、電気パワーの割合が増加し、レッドブルとフォードの両社がこの分野で、少なくともF1では比較的経験が浅いことを考えると、その疑問はさらに深まる。
しかしバルセロナでの非公開プレシーズンテストに向けて、注目は内燃機関(エンジン)、特に圧縮比に集中している。以前のレギュレーションでは、PUの最大圧縮比は18:1だったが、2026年からは新規マニュファクチャラーを迎え入れやすくするためなどの理由から16:1に引き下げられた。
他のマニュファクチャラーは、メルセデスとレッドブルのPUが、常温ではレギュレーションに適合しているものの、走行中に温度が上がると圧縮比を引き上げられるようなトリックを使っていることに気づき始めた。現状、FIAは常温での検査しか行なっておらず、そのトリックを監視・取り締まりを行なう術を持っていない。
アウディ、フェラーリ、ホンダは共同でこの問題をFIAに提起。1月22日に開催される技術専門家との会議の議題に挙げられ、空力面を含む新ルールの複数の議題が取り上げられることになった。
シーズン開幕を前に、レッドブル・パワートレインズのディレクターであるベン・ホジキンソンはメディアに対し、レッドブルの新しいPUは合法であると確信していると語った。
「一部のチームで”巧妙なエンジニアリング”が行なわれているのではないかと、PUマニュファクチャラー各社が不安を抱いているようだ」と彼は語った。
「正直に言って、どれくらい耳を傾けるべきか分からない。私は長年この仕事をしているが、ほとんど雑音にしか聞こえない。自分のレースを真剣に戦うしかない」
「自分たちが何をしているのか分かっているし、合法だと確信している。もちろん、レギュレーションが許す限りのギリギリまでやっている。もし皆がそうしていないとしたら驚きだ。正直なところ、大した問題でもないのに騒ぎすぎだ。結局みんな16:1で落ち着くと思うよ。それが私の本音だ」
問題の核心は、PUマニュファクチャラーによって参照する技術規則が異なることだ。2026年のレギュレーションC5.4.3条では、検査はエンジンが停止し、常温にある場合にのみ実施されると規定されており、メルセデスとレッドブルは、その範囲内で規則に違反していないと主張できるだろう。
しかしライバルPUマニュファクチャラーは、C1.5条に『F1マシンは競技中、常にこれらの規則を完全に遵守しなければならない』と規定されていることを指摘。圧縮比は最大で16:1であると明記されていることもあり、走行中にも適用されるべきだと主張するだろう。
またホジキンソンは、新しい規則に盛り込まれた圧縮比の引き下げには不満を持っている。全く不必要な措置だったと、彼は考えているのだ。
「純粋に技術的な観点から言えば、圧縮比の限界は低すぎる」と彼は説明した。
「燃焼を十分に速くする技術はあるが、圧縮比は低すぎる。我々が実現した燃焼速度であれば、18:1でも実現可能だ。つまり圧縮比を引き上げればそれだけ性能が得られるんだ。すべてのメーカーは、測定可能な範囲で可能な限り15.999を目指すべきだ」

