〈村松議員のマイクロビキニかわええわあ…〉今年1月、山梨県甲府市の村松ひろみ市議(52)が、市議会にてスーツ姿で答弁している写真を、生成AIでビキニ姿に加工した画像が、X上で拡散された。
生成AIの普及により、無断で写真を性的に加工する「性的ディープフェイク」の被害が相次いでいる。実際に被害を受けた村松議員に、当時の率直な心境を聞いた。
「あまりのショックに、言葉を失いました」
発端は、村松議員が昨年末に投稿した一枚の写真だった。
〈大変な一年でしたが応援・ご支援くださった皆様、心より感謝、御礼申し上げます〉
そんな感謝の言葉とともに、市議会で答弁する自身の写真をXに投稿した。その1週間後、何気なくXを開くと、目に飛び込んできたのが、〈村松議員のマイクロビキニかわええわあ…〉と本人を揶揄する文言とともに投稿された“自分のビキニ姿”の画像だった。
「あまりのショックに、言葉を失いました。もう頭が真っ白になって…」(村松議員、以下同)
村松議員はこれまでトランスジェンダーの問題や学校での性教育など、賛否が分かれるテーマにも積極的に取り組んできた。そのため、政策に反対する人から自宅の写真をさらされたり、脅迫まがいの行為を受けたりしたこともあったという。
「これまでもさまざまな嫌がらせを受けてきましたが、『極めつけがこれか…』とショックで。さすがに『もう仕事を辞めたい』と、すごく弱気になってしまいました」
さらに加工画像に対し、〈興奮しない〉など面白半分のコメントも寄せられており、
「加工した本人だけでなく、それに便乗して楽しんでるコメントを見るのも辛かった。これは明らかに二次被害だと感じました」
村松議員はすぐに友人へ相談。友人がすぐにXへ通報した。翌朝には画像は削除され、数日後にはアカウントも凍結された。
それでも、不安は拭えなかったという。
「削除されたことは救いでしたが、誰がどれだけ目にしたのか、ほかに保存されていないか、そもそも誰が加工したのかも分からない。その“分からなさ”が本当に気持ち悪かった…」
歌手のあいみょんも…広がる「性的ディープフェイク」の被害
こうした被害は、村松議員だけに限らない。
シンガー・ソングライターのあいみょんも、自身のXで〈私が乳出してるみたいな画像めっちゃ出回ってるけどAIやで〉〈きもすぎ〉と投稿し、生成AIによる性的画像への強い嫌悪感を示した。
https://x.com/aimyonGtter/status/1995800861902069775
こうした被害の背景にあるのが、Xに搭載された生成AI「Grok(グロック)」の存在だ。先月、新たな画像編集機能が追加されたことで、他人の写真でも画像加工が容易にできるようになり、被害が深刻化したと指摘されている。
被害は著名人だけにとどまらない。警察庁によると、18歳未満に関する「性的ディープフェイク」の相談件数は昨年1~9月までで79件にのぼった。中には男子中学生が同級生の女子生徒の写真を生成AIで裸に加工し、販売していた事案も含まれている。
昨年12月には生成AIで作成された女子児童の性的画像を所持していたとして、名古屋市立小学校の元教諭の男性が起訴される事件も起きた。
こうした被害による非難を受け、米Xは1月14日、「Grok」を更新し、「ビキニなどの露出度の高い服装をした実在の人物の画像の編集をGrockアカウントで禁止するための技術的対策を導入した」と発表した。

