2026年1月上旬、フェルミン・アルデゲル(グレシーニ)はトレーニング中の転倒で、左大腿骨を骨折した。今回の負傷は、彼にとってキャリア面でも影響を及ぼす可能性があるため、最悪のタイミングだったかもしれない。
アルデゲルは左大腿骨の骨折後、1月9日に手術を受けた。その手術の詳細は明らかにされていないものの、5時間を要したという事実が、医療チームが当初予想していた以上の複雑な問題に直面したことを示唆している。
13日にはアルデゲルの術後について「最悪の時期は過ぎた」と短い報告が上げられた。今後、アルデゲルは焦ることなくライディングにしっかり復帰できるように回復を進めることが目標になる。
ただ、今回の負傷はアルデゲルにとってかなり影響を及ぼすことになるかもしれない。
というのも、アルデゲルの回復には時間がかかりそうなのだ。具体的な回復期間は明らかにされていないものの、Motorsport.comの調べでは4月上旬より前に、トレーニングのためにバイクに乗ることは難しいかもしれないと考えられている。
つまりアルデゲルは第4戦カタールGP頃での復帰になる可能性がある。そして、その頃には2027年シーズンの各チームの契約も進んでおり、有望なシートが既に埋まっている可能性が高い。
アルデゲルは2025年にMotoGPクラスにデビューすると、ルーキーながらもスピードを発揮。1勝を含む3度の表彰台を獲得するなど力を示した。2026年は継続して型落ちのドゥカティのマシンを使うことになったが、さらなる飛躍を目指していた。
しかしライダーマーケットでは誰も待ってくれない。ましてや2年後のグリッドを形作る市場となればなおさらだ。今回の不運な出来事により、アルデゲルはドゥカティファクトリーチームでマルク・マルケスの隣に並ぶことを狙う争いから事実上脱落することになった。マルク・マルケスが残留し、そしてチームメイトが決まっていないと仮定しての話ではあるが、いずれにしても、そのシートがアルデゲルに与えられる可能性は低いと見る向きが強い。アルデゲルはいま、自らの意識を調節し、近道のない長いリハビリプロセスに、ただひたすら集中せざるを得ない状況に置かれている。
2020年、右腕骨折から無理な早期復帰を試み、その後に過酷な苦難を味わったマルク・マルケスの例は、回復を急ぐことの危険性を最も明確に示す警告だ。アルデゲルは2027年に向けて乗り込もうとしていた列車を逃したかもしれない。しかし、彼のMotoGPでの旅路はその先も長く続く。なにしろ彼はまだ20歳であり、すでに自らの実力を十分に示しているのだから。

