1月15日(日本時間16日)に発表されたWBCアメリカ代表の追加招集メンバーは、我々日本人にとってもまさにビッグサプライズだった。大谷翔平擁するドジャース同僚で、昨年9月に今シーズン限りでの引退を表明したレジェンド投手、クレイトン・カーショウその人だったからだ。
本人にとってもまさに青天の霹靂だったようで、メディアの取材に、最初はコーチの要請だと思ったことを明かしている。
「『大歓迎だと答えたら、“もう一度プレーしないか?”と言われて驚いた』のだとか。カーショウは前回23年のWBCの際にも出場を熱望していて、実際に代表入りが内定していました。しかし、MLB選手がWBCに出場するには保険への加入が必須で、その審査が通らなかったため泣く泣く出場辞退した経緯がありました。本人は『もう引退したから、保険の問題は関係なくなった』と要請を受け入れたそうです」(MLBライター)
ここで「保険」のシステムについて説明しておこう。MLB30球団のロースター(※試合に出場できる40人枠)の場合、大会期間中の負傷を補償する保険への加入が義務付けられている。もしWBCで大きなケガをしてシーズンを棒に振った場合、保険会社には休んだ期間分の年俸の半額を球団に支払う義務があるのだ。そのため厳格な規定が設けられており、WBC前後には入念なフィジカルチェックも課せられている。
前年のシーズンに60日間のIL(負傷者)リスト入りをしたり、IL入りのままシーズン終了した場合は保険加入は認められない。カーショウの場合は慢性的な背中痛を抱えており、23年シーズンの年俸が日本円にして約26億円と高額であったことも問題だった。
「“(26億円の半額の)13億円を支払うリスクは冒せない”と保険会社に通告されたカーショウは、球団関係者やMLB機構とも話し合い、何とか出場できる道を模索しましたが、問題を解決することができませんでした。悲願の舞台では投手陣の精神的支柱として、ブルペンでスクランブル待機することになるでしょう」(前出・MLBライター)
こうなると見たいのは大谷との同僚対決だが、カーショウ本人はMLB公式番組に出場し、「今の自分が投げたら、ショウヘイは場外まで飛ばす(笑)。だから対戦するとしたらそれはチームにとって最悪の状況だ。でももし実現したら…今から本当に緊張するね」と語った。
カー“ショウ”と“ショウ”ヘイの「ショウタイム」をファンは待ち望んでいる。
(稲田健市)
週刊誌や大手ニュースサイト等で広く活動するフリー歴10年の中堅ライター。得意ジャンルは野球を中心としたスポーツ記事とテレビ・ネット業界関連記事。

