フォードは、元F1ドライバーのローガン・サージェントを2027年から参戦するWEC(世界耐久選手権)ハイパーカークラスのドライバーとして指名した。
サージェントは、昨年11月に行なわれたWECルーキーテストでフォード・マスタングGT3をドライブ。そしてこの度、フォードのワークスドライバーであるマイク・ロッケンフェラー、セバスチャン・プリオールとともに、レギュラードライバーとしてフォードのLMDh車両をドライブすることが決まった。このマシンはオレカ製のLMP2シャシーをベースとする予定だ。
フォードLMDhの責任者であるダン・セイヤーズは、サージェントの「洗練された技術面とハイダウンフォースの経験が、この規模のプログラムにおいて不可欠」であると評価した。
さらにセイヤーズは、アメリカ人ドライバーのサージェントをラインアップに加えたことは、1967年のル・マン24時間レースをフォードGT40 Mk.IVで制した時、ダン・ガーニーやA.J.フォイトといった偉大なアメリカ人ドライバーを擁していたことへのオマージュであると説明した。
サージェントは2023年と2024年にウイリアムズからF1に参戦したが、成績が振るわず、2024年のシーズン途中でシートを失った。結果的に、2023年アメリカGPの10位がキャリア唯一の入賞となっている。
元々サージェントはIDECスポールから2025年のヨーロピアン・ル・マン・シリーズ(ELMS)に参戦する予定で、それが2026年からのジェネシスLMDhプログラム参画へとつながる可能性もあったが、それは直前に頓挫している。結局は昨年末からレースに復帰し、IMSAスポーツカー選手権の最終2戦に出場して、WECのルーキーテストを走った形だ。スポーツカーレースでの経験はまだ浅いものの、相方のロッケンフェラーとプリオールは豊富な耐久レースの実績を持っている。
特にロッケンフェラーはアウディのワークスドライバーとして長年活躍。2010年のル・マン24時間レースで総合優勝、2013年にはDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)でタイトルを獲得した。フォード陣営には、2024年から加わった。
サージェントは、今月行なわれるデイトナ24時間レースに、エラ・モータースポーツからLMP2クラスに出場予定。そして今シーズンは、WECのLMGT3クラスにマスタングGT3でフル参戦することになった。
■エンジンの詳細も明らかに
フォードがスポーツカーレース最高峰カテゴリーであるWECへの復帰計画を発表してからちょうど1年が経った。同社はLMDhプロトタイプを支えるパワートレインの主要な仕様を公開した。
そのエンジンは、自然吸気5.4リッターのV型8気筒。この型式はMスポーツによるチューニングによって、既にマスタングGT3などに搭載されているものだ。そして他のLMDhマシン同様、そこに共通のハイブリッドシステムが搭載される。
エンジンについてセイヤーズは、「午前3時にミュルサンヌ・ストレートを駆け抜けるフォードの音を聞いたとき、エンブレムを見なくてもそれがフォードだと分かるようでなければならない」と語った。
そしてフォードはこのエンジンについても、完全に自社開発すると明言している。彼らはレッドブル・レーシングと共にF1のパワーユニット開発を進めているが、ミルトンキーンズに拠点を置くレッドブル・フォード・パワートレインズ部門と連携して、LMDhエンジン開発も進めるという。
また彼らは特定のチームと組むのではなく、ハイパーカープロジェクトの運営を自社で行なう。レースチームはイギリス・バンベリーに新設される拠点を本拠地とし、かつてレッドブルのF1エンジンプログラム立ち上げに関わったセイヤーズがプロジェクトを率いる。
現時点でフォードが参戦を表明しているのはWECハイパーカークラスのみで、今後IMSAのGTPクラスに並行参戦するかどうかについては、まだ言及されていない。

