京王百貨店新宿店で開催中の「第61回 元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」が、2026年1月15日から後半戦に突入した。会期は21日まで。
そして私にとっては、15日からが本番だった。なぜなら15日から販売が開始されるものの中に、私が最も愛する鮎の駅弁があるからだ……! 東京の皆さんにも、ぜひこの素晴らしさを知っていただきたい。
・熊本の鮎駅弁
鮎の駅弁は全国にいくつかある。都民の認知度が最も高いのは、夏に東京駅で買える「まるっと鮎煮弁当」だろう。次は京都、淡路屋の「鮎寿し」だろうか?
それらも美味いのだが、鮎の駅弁と言われて私が真っ先に食べたくなるのは、熊本産の2つの駅弁だ。1つは博多駅や熊本駅、八代駅で買える「鮎屋三代」。もう1つが、熊本駅や人吉駅で買える「鮎ずし」。
まったく方向性が異なる2つの鮎駅弁だが、この熊本産鮎駅弁はどちらも頭抜けて美味いのだ。
熊本は九州にいもしないはずのクマを激推ししており、たくさんいる鮎をアピールしてない。東京では、熊本の鮎の知名度は低いように思う。
皆さんが熊本グルメでイメージするのも、きっと辛子蓮根と馬刺しでしょう?
しかし球磨川の鮎は素晴らしいので、九州に行ったらぜひ試してみてください。現地には鮎料理の店がそれなりにありますので。
話を駅弁に戻そう。そんな私が最も愛する鮎駅弁の1つ「鮎屋三代」に関しては、今なら新宿で食えるのだ! そう、京王百貨店に来ればね。
ブースを訪れたら、恐らく何度も食べたことのあるリピーターが多く来ている感じ。会話内容や動作からして、すでに「鮎屋三代」について詳しそうな客が目立つ。これは、ちょっとした穴場だと思う。
まあでもそうだろう。1度食ったらこの美味さは素早く脳細胞に刻まれる。東京では食べられないのでね。機会があるなら逃さずリピりにくるだろう。
ここでは鮎の塩焼き弁当と、鮎の甘露煮弁当を買える。どちらも美味いのだが、個人的なおすすめは甘露煮だ。お値段1550円。
ブースでは塩焼きも売っている。こちらを食べるのも、正しい判断だと思う。
・鮎の全て
しかし今回の主役は甘露煮弁当だ。
丸ごとのでっぷりした鮎が、弁当箱の中でギチギチになっている。私は去年も博多に出張した際に食べたのだが、その時は小さい鮎が2匹入っていた。
鮎の仕様は、その年の鮎の育ち具合によるということ。お店の方によると「今年は特に大きい」そうだ。やはり大きい方がテンションが上がるよなぁ! 見た目からくる嬉しさというのも大事だろう。
主役は鮎だが、「鮎屋三代」ではこの米にも注目すべきだと思う。初めて食べた時、この米の美味さに私は驚愕した。米だけで鮎を食っているような味わいだったのだ。
こいつは鮎出汁の炊き込みご飯。焼いた鮎を乾燥させ、そいつからとった出汁で炊いた米だそう。なるほど、上手いことやるものだ。私なら、この米だけで飽きずに3合はいける。
もちろん鮎も美味い。持ち上げたら自重で折れるほど柔らかい。頭も骨も全て食べられるし、頭も骨も美味い。
甘露煮ゆえ基本的に甘いが、ベッタベタな感じではないのが好感度高い。東京で甘露煮というとハゼを思い浮かべる人が多いのではなかろうか。あれは、けっこう甘みをしっかりつけるお店が多いように感じる。
しかし、この鮎はサラッとした甘さだ。そして内臓や頭の心地よい苦みが、風味にグラデーションを生じさせてくれる。これが何回食っても美味いのだ……!
焼き鮎の出汁で炊き上げた米と合わせると、鮎の全てを味わっているような感覚になる。まあ物理的には頭から尻尾まで文字通り全てなのだが、鮎に出せる味わいの全てが入っているかのような広がりをも感じるのだ。
いやぁ、今年も食えて良かった。かねてよりのお気に入りなので贔屓しているかもしれないが、私に言わせれば、もっと注目されて然るべきクオリティ。都民の皆さん、ここは本当にお勧めです。
