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【蹴球賢語/最終回】フロンターレに“帰ってきた”感覚。中村憲剛が満を持してのトップチームコーチ就任に抱える想いとは

【蹴球賢語/最終回】フロンターレに“帰ってきた”感覚。中村憲剛が満を持してのトップチームコーチ就任に抱える想いとは


 2020年シーズン限りで引退した中村憲剛が、その後、サッカーダイジェストでスタートしたコラム「蹴球賢語」も今回で50回目。新シーズンは川崎のデベロップメントコーチとしていよいよ本格的にトップチームのスタッフとしての活動を始めるにあたり、ひとまず、このコラムシリーズは最終回に。そこで、特別版として現場に戻る今の率直な想いを語ってもらった(前編/全2回)。
 
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 遅くなってしまいましたが、皆さん2026年もどうぞ宜しくお願い致します。
 
 私ごとにはなりますが、年始に2026年からフロンターレのトップチームのデベロップメントコーチに就任させてもらうことを発表しました。引退から5年、FRO(Frontale Relations Organizer)として、クラブの内外で様々な活動をし、トップチームやアカデミーの練習にも参加させてもらってきましたが、今年からは選手の個人技術やメンタル面の育成、チーム全体の戦術的な成長など、選手やチームの将来を見据えたサポートを担当するコーチとして、本格的にトップチームに関わらせていただくことになりました。
 
 そこで引退直後にサッカーダイジェストさんでスタートさせていただいた、この「蹴球賢語」も一度、今回の50回目で幕を引かせていただけましたら幸いです。ということで、最終回は特別版としていつもの本誌ではなくWEBで、今の想いや2026年への意気込みを語らせてください。
 
 まず2025年は10月にこれまで僕を支え続け、応援し続けてくれた父が亡くなるという大きな出来事がありました。入退院をしていた父を支えたい。この1、2年は長男としてその想いが今まで以上に強く、その僕の気持ちをフロンターレの強化部、そしてシゲさん(長谷部茂利監督)にお話させてもらい理解していただいて、ありがたい環境に身を置かせていただきました。
 
 実は1年前にもトップチームのコーチ就任を打診されましたが、当時は父の体調が芳しくない事情もあり、フルでコミットするのは難しいですと返事をしました。でもそれを聞いたシゲさんから「いつでも練習に来て大丈夫だよ。来てくれたらチームのためになるから」と本当にありがたい言葉をいただき、強化部とも協議を重ねた結果、可能な限りトップチームにも関わるという形になりました。
 
 昨年もメディアに登場する姿は皆さんに見ていただいていたと思いますが、それと並行して、昨年からはアカデミーだけではなく、新たにトップチームの練習にも週に2~3回可能な範囲で参加させてもらい、トップの等々力でのゲームではロッカールームにも入らせてもらう形で、チームが勝つために自分にできることを模索しながらやらせてもらいました。
 
 まず何よりも大事なのはシゲさんのサッカー・やりたいことをトレーニングや試合を通じて学び、理解を深めることでした。試合から逆算したトレーニングのプランニングやオーガナイズ、声かけの内容とタイミング、ミーティングなど挙げればキリがないですが、マネージメントも含めてシゲさんが伝えたいことは何か、見て聞いて感じる日々、その全てが大きな学びになっています。そのうえで自分がこの立場でどう関わることが一番チームのためになるかを日々考えた1年でした。

 そのなかで、アドバイスを送った選手たちが活躍してくれたのは嬉しかったですし、ボール回しやトレーニング後のパス&コントロールの自主練習も選手たちと一緒にやらせてもらいました。トップチームの選手は言葉をかければ、反応が早く、能力も高いからこそ、ともに戦わせてもらう楽しさを改めて感じていました。
 
 昨年を除き、それまでの4年は麻生の練習場に行ってもロッカーなどに入らず、グラウンドにも下りない、等々力でも試合には行くけどロッカーには入らないなど、自分なりに立場を考えたうえで個人で線を引いていた部分がありました。そこからすれば2025年の1年間は大きな変化だったとも言えます。
 
 その1年間の自分のチームへの関わり方を見ていただいたうえで、2026年に向けて改めてトップチームのコーチとしてオファーをいただきました。今のトップチームを見てみると、アカデミー時代に関わらせてもらった高井(幸大/現ボルシアMG)や大関、ナガネ(松長根悠仁)の学年から、由井(航太/松長根とともに今季福島から復帰)、(土屋)櫂大(福島にレンタル移籍)、(林)駿佑、ノリ(関德晴)たちまで年々増えており、トップチームにおけるアカデミーの選手たちの存在・役割が大きくなっていくなかで、“点”が“線”になっていく感覚が自分の中にはあります。アカデミーに関わらせてもらったこの5年は無駄なことは何ひとつなかったと改めて感じています。
 
 今後、父のことを含めた家庭のこと、ありがたいことにすでにいただいているお仕事、この5年で積み上げた周囲のことを少しずつ整理しながら、トップチームの活動にすべてを注げるような状態を作っていきたいと考えています。
 
 一方で、僕としては今回のクラブからのオファーに対して、覚悟を持ってこの職を全力で務めたいと思っていますし、始動日からトップチームの活動にもしっかり関わらせていただいています。この5年、「FRO」としてクラブを盛り上げるための活動にも参加してきましたが、今年から現場に100パーセント集中する形になり、自分の中では本格的にフロンターレに“帰ってきた”という感覚が今は湧いています。

 それこそずっと家を飛び出していた放蕩息子が戻ってきたような感覚と言いますか(苦笑)。現役を引退して、幾つかの選択肢を自分の中で持ちながら駆け抜けてきた5年、全力で過ごしてきたからこそ今回の道につながったという想いでもあります。

後編に続く

構成●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

後編/【蹴球賢語/最終回】中村憲剛がコーチ就任へフロンターレのために示す覚悟。そして目指すべき指導者像

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配信元: SOCCER DIGEST Web

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