スーパーフォーミュラに参戦するSan-Ei Gen with B-Maxは、2026年シーズンも1台体制で戦うことになる。チームとして2023年以来となる2台体制を目論んできたが、今年も実現に至らなかった背景について、組田龍司総代表に語った。
直近2シーズンでは、ホンダ育成とB-Maxのジョイントチームでスーパーフォーミュラ・ライツ(SFライツ)のチャンピオンに輝いた木村偉織、小出峻をスーパーフォーミュラにステップアップさせてきたB-Max Racing。今年もその例に漏れず、2025年にSFライツを圧倒的な強さで制した野村勇斗を起用することになった。
特にホンダのスクールでスカラシップを獲得し、フランスと日本のF4を経てSFライツ参戦1年目でチャンピオンとなった野村は、その実力を高く評価されている様子。昨年のSFライツの主要スタッフ(武藤英紀監督、大津弘樹アドバイザー、今関佳斗エンジニア、伊藤優メカニック)がそのままスーパーフォーミュラにステップアップして野村をサポートするという異例の人事異動で、ルーキーにとっては心強い体制が組まれる。
「彼(野村)にとっては、監督にしてもエンジニアにしても、F4、SFライツと2年間この体制でしたから、その体制が一番リラックスできると考えました。また(SFチームの)体制を少し変えることで、新しい雰囲気を作っていこうという部分もありました」
そう語るのは組田総代表。このスタッフ異動によって、今季のSFライツチームに関しては、一部メカニックを除いて全く新しいメンバーになるという。つまり、武藤監督らがSFとSFライツを兼務するという形にはならないようだ。
「ドライバーと同じで、やっぱりメカニックやエンジニアもステップアップしたいという気持ちがあります。チーフで出来る力量がついてきたスタッフのステップアップという意味合いもあり、カテゴリー間でかなりシャッフルしています」
彼らは今季も、ホンダの若手ドライバーひとりの体制で戦う。組田総代表は昨年1月のmotorsport.comの取材に対し、2025年シーズンの2台体制拡充を目指して国内外の複数のドライバーと交渉していたものの、時間の制約もあってまとまらなかったと話していた。
組田総代表は、今季に向けても複数の外国人ドライバーとギリギリまで交渉を進めていたと明かす。ただやはり、参戦バジェットの持ち込みが基本線になる上に、スケジュール等の問題もあって一筋縄ではいかなかったという。
「まず、国内のドライバーで力量や環境も含めてスーパーフォーミュラにステップアップできるドライバーは大勢いらっしゃるわけではありません。そういう意味では、台数を増やすにあたっては外国人ドライバーがひとつの候補になります」
「ただ当然彼らにとっては(参戦)費用もかかりますし、ドライバーとして評価を上げられるかがポイントになってきます。外国人ドライバーにとっては、スーパーフォーミュラで走るとなれば、もちろんトップチームに行きたいですよね。私どもは中堅の下くらいにいるチームなので、例年のことですが交渉の順番としても後ろの方になってしまいます」
「またヨーロッパのドライバーにとっては、まずヨーロッパで走りたいというのが先にあって、その可能性が潰えた時に日本(を検討する)という形だと思います。そうなると、F2とスーパーフォーミュラの(シーズン後)テストの日程が被ったりしている現状では、選択肢として選んでいただくのがなかなか難しいです」
「それで決まるのが遅くなってしまうと、車両のパーツ準備、人員確保などが物理的に間に合わなくなってしまいます。今のカレンダーでは、外国人を走らせたい日本のチームにとっては交渉が難しい時間軸になってしまっていると思います」
「今シーズンに関しても、いくつか話はありました。ギリギリまで話をしていたのですが、相手の結論が出るまで待っていると準備が間に合わないので、ある時点で交渉は打ち切って、1台に集中しようということになりました」
世界的に年間のレースカレンダーが長くなってしまっている状況は如何ともし難い一方、ヨーロッパを主戦場に戦うドライバーがスーパーフォーミュラに目を向けやすくなるようなテスト日程とならなければ、外国人ドライバーの起用は難しいのではないかと話した組田総代表。彼らのファクトリーには2023年にラウル・ハイマンが乗った2台目のマシンが眠っているが、実戦カムバックはまだ先の話になりそうだ。
ただSFライツに目を向けると、B-Maxに楽しみな外国人ドライバーが加わりそうな予感だ。それが、昨年12月のSFLテストにB-Maxから参加したフランス人ドライバーのエヴァン・ジルテールだ。
日本人ドライバーも多く参戦するなど、世界の有力ドライバーが集った2025年のフォーミュラ・リージョナル・ヨーロッパ選手権でランキング5位に入った有望株ジルテールは、鈴鹿でのテストで4セッション中3セッションでトップタイムを記録。チームは現在も交渉中だというが、加入の可能性は高そう。SFライツ参戦となれば、日本人ドライバーにとって脅威の存在となるかもしれない。

