本郷 ドラマでの秀長の活躍は、江戸時代に書かれたとされる「武功夜話」に出てくるような逸話、たとえば蜂須賀小六(正勝)との出会いや、墨俣の一夜城などが描かれることになるでしょうね。史実にはないことですが。
ペリー 戦国時代は、小説や映画、ドラマで史実とは違うドラマチックな出来事や、武将のイメージが固定されてはいますよね。
本郷 秀長ってすごいやつなんだぜって言われ始めたのも、そう古い話じゃないんですよ。他にも、柴田勝家は不遇なキャラクターで、実際には非常に優秀な武将なんですけど、無骨で男くさくて面白くないみたいに描かれる。今回はどう描かれるのかな。
ペリー 勝家は映画「侍タイムスリッパー」で注目を集めた山口馬木也さんです。そうなると無骨路線かな‥‥。
本郷 あと、福島正則という武将も、いつも軽々しいヤンキーみたいな設定だったりする。でも、福島正則は50万石の殿様になるんですよ。50万石って言ったら日本有数じゃないですか。有数の企業の社長が果たしてヤンキーのままで務まるのかって。
ペリー こうだったら面白いという願望は、反映されるかもしれないですね。
本郷 まあ、歴史は歴史、ドラマはドラマ。別物なんですよ。日本史って僕たち日本人みんなの財産なので、それを楽しむことにとやかく言うのは、いわゆる野暮ってやつですよね。大人になればなるほど、こういう見方もあるよね、こういう見方もあるよねでいいんです。
ペリー どんな豊臣兄弟になるかも楽しむべしと。演じているのは秀長が仲野太賀さんで、秀吉が池松壮亮さん。2人は10代の頃から公私ともに仲がよくて、現場でもたいへん息が合っていると聞いています。ドラマの出だしは尾張中村で、まだ何者でもない2人が織田信長に仕えて、仲間とともに乱世に躍り出ていく。信長は小栗旬さんです。
本郷 信長とどう関わるのかも興味深いね。
ペリー 脚本が「半沢直樹」の八津弘幸さんなので、私は強敵に立ち向かう2人の大逆転劇に期待したい。特に前半は漫画「ワンピース」のような活劇、冒険物語になるのではと思っています。
本郷 やっぱり日曜の夜でしょう。家族みんなで見るわけだから、見終わった時にみんなが、ああ見てよかったなって前向きな気持ちになるようにならないと。
ペリー 秀長の初恋の人、直は白石聖さん、正妻の慶は吉岡里帆さんです。
本郷 白石さんは若手のエースですよ! 正室もどんな女性かわかってませんが、吉岡さんも素敵な人だし、これだけでもこのドラマの秀長は幸せ者です!
ペリー 先生、今日いちばん元気な声をいただきました!
(構成/ペリー荻野)
本郷和人(ほんごう・かずと)/1960年、東京都生まれ。東京大学史料編纂所教授。専門は日本中世政治史。NHK大河ドラマ「平清盛」などの時代考証にも携わる。近刊に「豊臣の兄弟秀吉にとって秀長とは何か」。
ペリー荻野(ぺりー・おぎの)/1962年、愛知県生まれ。コラムニスト、時代劇研究家。時代劇主題歌オムニバス「ちょんまげ天国」をプロデュース。著書に「テレビの荒野を歩いた人たち」など。

