高市早苗首相の「台湾有事答弁」以降、習近平の中国は日増しに怒りのボルテージを上げ、メディアは「台湾侵攻」の危機に言及しているが、本当に警戒すべきは「台湾有事」ではなく「中国有事」である。
まず知っておきたいことは、ロシアのウクライナ侵攻を例にとるまでもなく、他国に軍事行動を仕掛けると、国家を潰しかねないほどカネがかかるということだ。
中国は今、バブル破綻で経済がどん底を這うほど疲弊しており、破綻から4年が経つのに、いまだに不動産バブル破綻の処理が手つかずになっているほどの財政難に苦悩している。
富裕層、中間層を含めた約6億国民が不動産価格の下落で資産を激減させ、約6億の貧困層が満足に三度のメシを確保することに汲々としているほど貧しくなっている。
この状況で、習近平主席が「ひとつの中国」を国民に約束したからと「台湾侵攻」にこだわっても、先立つ「戦費」の調達が不可能だ。
台湾侵攻にあたっては、まずグアム島と沖縄の米軍基地を抑え、台湾への補給を絶つことが必要だ。これには空軍、海軍、陸軍の3軍が一体となって戦うことになる。
戦闘機の価格は少なくとも1機80~100億円、ミサイル1発は数億円になる。さらに台湾島を囲む空母、潜水艦、駆逐艦、巡視艇ばかりか、民間の膨大なを船調達することになる。同時に国内が戦時体制となり、経済活動が制限され、徴用される労働者が多くなるはずだ。
これらを安く見積もっても、1日で200億円の経費がすっ飛ぶ計算になる。
侵攻開始となれば、身勝手なトランプ大統領といえども、経済制裁をしないわけにはいかなくなる。経済制裁ではまず初めに海外の資産が凍結され、ドルが枯渇し、日米欧ばかりでなく韓比タイ、マレーシアを初めするアジア、さらにヨーロッパとの貿易がストップする。
こうなると中国のモノ作り産業が呼吸不全に陥り、経済は息を止める。
さらに大事なことは、国家が軍事行動を進めるには、軍隊が信頼される組織であることだ。ところが歴史的に見ても、人民解放軍は中華人民共和国の建国以来、汚職と粛清を繰り返してきた。
習近平が国家主席の座に就いて、人民解放軍の組織大改正を打ち出した時、驚愕する「噂」が流れた。
「組織改正を断行したら『潜水艦が行方不明になっている、戦車が不足だ、砲弾が足りない』と、解放軍が汚職と賄賂まみれであることが発覚する」
ところが解放軍は習近平主席が任命した最高幹部が次々に粛清され、後任が定まっていない。要は習主席に統率力がないのだ。それでも「台湾侵攻」を選択すれば一段と人民が困窮して不満を爆発させ、「中国有事」を勃発させよう。
(団勇人)

