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「僕は特別じゃなかった」“孫差別”の傷は成長しても消えない。男が未来の子どものために抱いた決意

「僕は特別じゃなかった」“孫差別”の傷は成長しても消えない。男が未来の子どものために抱いた決意

嫌いじゃないけれど


何となくわかってた(写真:iStock)

「でもね」と健太は続けた。「小さい頃から、なんとなくわかってたんだ。いとこにはよく話しかけるのに、僕には用事がある時だけ、みたいな感じ」

 里穂はハッとした。子どもは、思っている以上に大人の態度を見ている。

「運動会もさ、僕の競技はあんまり見てなかったのに、いとこの時はずっとカメラ構えてたでしょ。あれ、今でも覚えてる」

 責める口調ではなかった。むしろ淡々と、事実を並べているだけだった。

「おばあちゃんのこと嫌いじゃないよ。でも、“ああ、僕は特別じゃないんだな”って、子どもながらに思ってた」

 その言葉に、里穂は何も言えなくなった。

理由はわかっても寂しさは消えない


怒りではなく諦め(写真:iStock)

 差別された“記憶”は、怒りとして残るとは限らない。健太の中に残っていたのは、静かな諦めだった。

「大人になってからわかったんだよ。血がどうとか、距離が近いとか、そういう理由なんだろうなって。でもさ、理由が分かっても、感じた寂しさが消えるわけじゃないんだよね」

 里穂は、あの頃もっと声を上げるべきだったのではないかと、自分を責めた。

「平和を壊したくない」「角を立てたくない」そうやって飲み込んだ違和感が、結果的に子どもの心に影を落としていた。

配信元: コクハク

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