
「タケは英雄だ」「真の天才」不振でも戦い続け、復活した久保建英をソシエダ番記者が手放しで絶賛!「永遠に記憶される」【現地発】
この困難なシーズンにおいて、改めて浮き彫りになった真実がある。それは、タケ・クボ(久保建英)が単なる一人のサッカー選手ではなく、並外れた特別な資質を持つ存在だということだ。
物事がうまくいかない時こそ、真の天才というものはその姿を現す。テニス界の至宝ナダルがそうであるように、プレッシャーのない平時ではなく、絶体絶命の窮地においてこそ最高の力を発揮する者たちがいる。タケもその一人だ。
決して順調とは言えない今シーズンの中で、彼は最高の自分を取り戻した。シーズン序盤の低空飛行が響き、前半戦を終えて11位に甘んじているチームを、再び欧州カップ戦出場権争いという野心的な目標へ引き戻そうとする彼の戦いは、まさに称賛に値する。
サッカー界には、状況が悪化すると悪意に満ちた見方をする者が少なくない。「新監督の下で、彼は別の選手になった」と非難する声も聞こえた。だが、それは真実ではない。タケはいつだって、チュリ・ウルディン(白と青の意)のユニフォームのために全力を尽くしてきた。
その歩みを一時的に止めたのは、 本人ですら予想だにしていなかったほど深刻な足首の怪我だった。サン・セバスチャンにやって来て以来、最も深刻だった身体的な問題をようやく克服した時、彼本来の輝きが再び放たれ始めたのだ。
タケは、解任の危機に瀕していたセルヒオ・フランシスコを救おうと、孤独な戦いを挑んだ。他のチームメイトたちは同じようには振る舞えなかった。彼ら自身も、監督を救うために十分な力を尽くせていなかったことを、公の場で認めている。タケはマイクの前で率直に真実を話し続けた。それは誰かを非難するためではない。たとえそれが短絡的だと揶揄されようとも、彼は真実を語ることを恐れないだけなのだ。
コパ・デル・レイ準々決勝進出を賭けたレアル・ソシエダ対オサスナ戦。この大会に限定すれば、1993年の開場以来、アノエタの歴史においておそらく最もエキサイティングな試合が繰り広げられた。この夜、タケはスタンドのファンが味わった「苦悩と歓喜」のすべてをピッチ上で体現した。
試合を振り返る前に強調しておかなければならない。この日のバレネチェアは極めて低調なパフォーマンスに終始していた。逆サイドからの助けが得られない中、スポットライトは過去数年で何度も繰り返されてきたように、再びタケへと集中した。
オサスナは執拗な包囲網を敷き、タケは有利な状況でパスを受けることさえままならない。タッチライン際で立ち止まった状態からのスタートを余儀なくされ、彼のドリブル突破は「ほぼ不可能なミッション」と化していた。もっとも、それは今のソシエダにおいて、もはや見慣れた光景ではあるのだが。
それでも、タケの闘志は最初から燃えていた。開始わずか2分、彼が送った絶妙なクロスをバレネチェアが頭で捉えたシーンがその証拠だ。0-2ビハインドで終えた前半、決定的な仕事こそできなかったが、その「沈黙」が、かえって後半以降の彼の功績を際立たせることになる。前半アディショナルタイムには、タケの鋭いCKから決定機が生まれたが、スチッチがそらしファーサイドで飛び込んだチャレタ=ツァルは、わずかに届かなかった。
ハーフタイムを経て、タケは何かに突き動かされるように躍動し始める。51分、ゴール前のカルロス・ソレールへ「あとは決めるだけ」という完璧なパスを供給。しかしソレールはコントロールを誤り、シュートすら打てない。その直後、タケは自らエリア内へ切り込み、ゴール左隅を狙うが、ボールはわずかにポストの外側をかすめていった。
ソシエダの攻撃は、重力に引かれるようにタケのいる右サイドへと傾いていった。彼はオサスナの守備陣を相手に、成功しようがしまいが、ひたすら何度も、何度も仕掛け続けた。サイドバックにオドリオソラが投入されると、勝利を渇望するタケの鬼気迫るプレーはさらに加速した。そして92分、ドラマは訪れる。彼の放った鋭いクロスがゴール前で混戦を生み出し、スベルディアの同点弾を演出した。アノエタが狂喜乱舞した瞬間だった。
延長戦に入った時、体力を使い果たしたタケにこれ以上の輝きを期待する者は誰もいなかったはずだ。しかし、彼はそれでもボールを求め続け、激しいタックルを浴びながらもファウルを勝ち取り続けた。115分には自ら勝ち越し弾に迫る強烈な一撃を放ち、その2分後にも決定的なクロスを入れた。誰も触れることができなかったが、彼は最後まで「解決策」であり続けた。
そして迎えたPK戦。タケの心身は、もはや一滴のエネルギーも残っていないほど「空っぽ」だった。PKのキッカーという重責を担う余力など、微塵も残っていなかったのだ。120分間の凄まじい奮闘を見れば、彼が蹴らないことは、致し方ないことだった。
タケは英雄だ。PK戦で勝利を手繰り寄せた最大の殊勲者ではないかもしれない。しかし彼は、0-2の劣勢からチームを救い出し、90分間を通してソシエダが勝利を手にすべき理由をピッチ上で証明し続けた。
となっては、タケが世界のトップ選手に引けを取らない傑出した身体能力の持ち主であり、誰よりも試合を理解し、チームをリードする圧倒的な存在であることに異論はない。
他の選手たちがボールを恐れる中、この日本人は誰よりも自分の可能性を信じ、常にパスを要求し続ける。マラドーナがかつて「一体どこの星から来たんだ」と讃えられたように、タケもまた、彼を止めることだけを使命とする屈強なディフェンダーたちをなぎ倒すために、異次元から現れたかのようだった。
驚くべきことに、彼は疲れ果てるまで全力を尽くしながら、チームメイトや審判に対して文句一つ言わない。
世界と戦う『タケ』という個性が、ソシエダに勇気を与え、試合の趨勢をひっくり返す確信を植え付けた。アノエタは悟ったのだ。この選手は唯一無二であり、チームのためにすべてを捧げる宝であると。
18日の日曜日、アノエタでソシエダと対戦するバルセロナは、覚悟すべきだ。ビッグクラブに相応しい男がそこで牙を研いで待っている。彼を批判する大胆な者もいるが、私たちはただ「ありがとう、タケ」と言うしかない。あなたは永遠に記憶されるだろう。マタラッツォ監督は、自分の手元に日本からやって来た最高級の宝がいることを知っているはずだ。
取材・文●ミケル・レカルデ(ノティシアス・デ・ギプスコア)
翻訳●下村正幸
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