MotoGPライダーのマルク・マルケス(ドゥカティ)は、引退の時期については肉体的な状態が大きく関わってくるだろうと話した。
マルケスはMotoGPでも最も成功を収めたライダーのひとりだ。最高峰クラスでは2025年に7度目の王者に輝き、通算では9度のタイトルを記録。バレンティーノ・ロッシと同じ数に並んでおり、2026年にはそれを更新する可能性もある。
現在32才のマルケスはMotoGPライダーの中では2番目に高齢(最高齢はヨハン・ザルコの35才)であり、そのキャリアも既に後半、終盤に差し掛かっている。
そして彼は自らのキャリアについて、モチベーションよりも身体の状態が引退の時期を決めることになるだろうと考えている。
マルケスはそのキャリアを通じて怪我に悩まされてきた。特に2020年に右腕を骨折したことは、大きな影響を及ぼした。骨折後は4回も手術が必要となり、パフォーマンスを取り戻すのに時間がかかった。
そして2025年もマルケスは怪我に苦しめられた。タイトルを獲得した直後のインドネシアGPでマルコ・ベッツェッキ(アプリリア)に追突される形でクラッシュすると、右肩の肩甲骨を骨折し、靭帯も損傷してしまったのだ。
今後、マルケスはドゥカティとの契約を延長すると見られている。2028年までの契約だとすると、その契約が終わるときにマルケスは既に36才が目前だ。
逆境を乗り越えてきた自身の物語を特集したスペインのテレビ局La Sextaの番組に出演したマルケスは、これまであまり知られてこなかった一面を明かし、今後のキャリアについても言及した。
「アスリートにとって最も難しいのは、いつ、そしてどのように引退するか、どこまで続けるかを見極めることだ」
マルケスはそう語る。
「自分は、精神よりも身体のほうが先に限界を迎えて、早めに引退することになると分かっている。このスポーツでは、これまで僕がリスクを負ってきた多くの怪我に対して、ここ最近の段階までは比較的うまくやれてきた」
「これからは毎年、自分の身体がどういう状態かを理解しなければならない。僕は精神的にはロケットのように前向きだからだね」
インドネシアGPで負った怪我からは順調に回復しているマルケスだが、負傷からしばらくの安静期については、次のように振り返った。
「怪我をすると、3つの段階を経験する」と彼は言う。
「最初の段階では、誰とも関わりたくなくなり、精神的に打ちのめされる。最後に世界タイトルを獲ったあとも、3週間は家にこもって何も見なかった。痛みは人の“短気な一面”を引き出し、身近な人に当たってしまう」
「次に来るのは、もう大丈夫だと思い込む段階だが、実際にはまだ回復していない。その段階で周囲が止めてくれて、僕はそれを受け入れた。そして最後の段階が、忍耐に支配される時期だ。バイクに乗りたくて仕方がないが、乗ってはいけない段階があるんだ」

