開幕したテニス四大大会「全豪オープン」(1月18日~2月1日/オーストラリア・メルボルン)の女子シングルス1回戦で、トルコのジェイネプ・ソンメズ(世界ランキング112位)が、コート上で体調不良に陥ったボールガールの救助にあたり称賛を集めている。さらにソンメズは、フルセットの末に格上を倒し、全豪での本戦初勝利を記録した。
ソンメズは第11シードのエカテリーナ・アレクサンドロワ(ロシア/同11位)と対戦していた。試合は序盤から熱戦となり、ソンメズが第1セットを7–5で先取。異変が起きたのは、2セット目の途中だった。アレクサンドロワのサービスを待つ場面で、審判台の横に立っていたボールガールが突然ふらつき、倒れたのである。
ボールガールは自力で一度立ち上がったものの再び動きが危うくなり、事態を察したソンメズはすぐにプレーを止めさせ、自らコート脇へと走り寄った。観客の拍手が起こる中、ソンメズは倒れた女の子の腕を支え、陰のある席まで丁寧に誘導し、医療スタッフに託した。
試合後、ソンメズは英BBCの取材にこう応じた。
「“良い人間”であることは“良いテニス選手”であることより大切だといつも言っています。彼女を助けるのはただ本能的なことでしたし、誰でも同じようにしたと思います。助けることができてうれしいです。もし彼女に明日やトーナメント中に会えたら、ぜひ話したいです」
ボールガールについて、大会側からの詳細説明は確認できないが、その後治療を受け、無事に帰宅した模様だ。
このアクシデントで一時中断した後、ソンメズはこの第2セットを4-6で落としたものの、ファイナルセットでは4度のブレークポイントをしのぐ粘りを見せて6-4とし、2時間37分の熱戦をものにした。
イスタンブール出身のソンメズは、2002年4月30日生まれの23歳。24年の「メリダ・オープン」(WTA250)でツアー初タイトルを獲得し、昨年は「ウインブルドン」で3回戦に進出。これはトルコ人女性として四大大会最高成績となった。さらに初出場の「全米オープン」でも初戦を突破し、10月にはキャリアハイの世界69位をマークしている。
そんなソンメズは、24年の母国メディア『トルコ・トゥデイ』のインタビューで、もしテニス選手でなかったら、との問いに答えている。
「私は人を助けようとする人間になっていたと思います。子どもや女性を助けるような。今の世界では、戦争など良くないことがたくさん起きているので、きっとそうした場所で人の役に立とうとしていたでしょう」
自身の価値観を体現した行動を取り、金星もつかんだソンメズ。彼女の2回戦はさらに注目を集めそうだ。
構成●スマッシュ編集部
【動画】ソンメズが体調不良のボールガールを救助した場面と、1回戦のハイライト
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