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『夜ヒット』に出たポール、生放送で歌った新曲|ビートルズのことを考えない日は一日もなかった Vol.45

90年の来日につながった『夜ヒット』出演

ポールのファンクラブ会報『Club Sandwich』

それからしばらくして、ポールが『夜のヒットスタジオ』に出るという情報が駆け巡った。85年末に放送された『ベストヒットUSA』でのロングインタビュー以来の日本のテレビ番組への出演だが、今回は生放送で歌唱まであるという。史上初の快挙に、いやが上にも期待が高まった。

日時は11月18日。子どもの頃よく観ていた同番組は、毎週月曜10時からの放送だったはずだが、85年4月から水曜夜10時からの2時間番組に拡大され、司会も井上順から古舘伊知郎に交代、海外アーティストも毎回のように出演するようになっていた。すでにアルバイトやバンドの練習で毎週熱心に見ることはなくなっており、気になる放送は録画して観ていたにすぎなかった。この日も確か録画で観たのではなかったか。リアルタイム視聴したかったが、帰宅が間に合わず、録画したものを夜中に観た。

番組冒頭、ロンドンからの衛星仲間中継で映ったポールは全体的に白っぽい画質のためか、白髪交じりの短髪が目立つ印象的。そののせいか、妙に小顔に見える。司会の古舘伊知郎が、ポールファンの少年隊・東山紀之がどうしてもポールにサインをもらいたいと訴えるくだりはファンとしては無理があるなと思うも、人気歌番組ゆえそのようなつかみも仕方ないのだろうと納得。東は本当にポール・ファンだったのか、そしてあのサインはどうなるのか、だけはちょっと気になった。

さて本番。ポールの出番は番組スタートから1時間ちょっと経ったあたりだっただろうか。金のレスポールを抱えて「ワンス・アポン・ア・ロング・アゴー」を歌唱するシーンはたとえ口パクであっても感涙もので、これは本当なのか、夢じゃないのかとさえ思ったほどだった。ただ歌うだけで十分なのに、雪を振らすはずが、スタッフのミスで真夏になってしまうという、微妙な演出が用意されていたのには戸惑った。きっとポールのアイデアなんだろうなと苦笑いしつつ、ポールが楽しいならそれでいいかとあきらめるしかなかった。このときは知らなかったが、同じ演出を他の国のテレビ番組でもやっていたことを、後日ブートビデオで観て知った。

この頃はまさかポールが日本でコンサートをやるなんてことは思いもしなかったのだが、その3年後に来日公演がフジテレビ主催で実現したのは、この『夜ヒット』への出演が起点となっていたのだなとあとになって合点がいった。

配信元: Dig-it

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