新しい年を迎えて「今年はこんなことをやってみたい」「このアイテムを手に入れたい」など、実現したいことをウィッシュリストに書き出してみた人も多いはず。一方で、年末にその年を振り返り「これは実現できなかったな」というものがあった人もいるかもしれません。今回はそんな「欲望」をテーマに、「その願いをいつ叶えるべきなのか?」ということを2回にわたってお話していきたいと思います。
欲望にはおいしく楽しめる“旬”がある
先日、Xでこのようなポストをしたところ、非常に多くの反響をいただきました。
たとえばさ、40歳になってからようやくmiumiu持てるようになっても仕方ないんよ。若くて健康でかわいいうちにしかできないことを、たくさんしておいてね。今好きなものや憧れてるもの、数年後にはびっくりするくらい似合わなくなってるし、体力も落ちてるから。欲望の賞味期限を大切に。 https://t.co/aVYgXa2DGD
— 𝓜𝓲𝔂𝓾 (@miyukii_tw) December 13, 2025
これは単に「何歳だからこれをやってはいけない」ということではありません。私たちの欲望はいつまでも鮮度を保ったままあり続けてくれるわけではなく、その瞬間だからこそおいしく楽しめる“旬”があります。「いつか」とあたため続けている欲望は、時間が経ってもずっと同じように味わえるわけではないのです。
では、それはなぜなのでしょうか?
「今しかできないこと」は、音もなく減っていく
「まだ若いから大丈夫」「もう少し先でもいい」そう思える余裕があるのが、20〜30代かもしれません。まだ体力もあり、多少の無理もききます。仕事もプライベートもまだ選択肢が多い年齢であり、だからこそ「今すぐやらなくても、そのうちできるはず」と感じてしまいます。
しかし、今しかできないことは、自分でも気づかぬうちに少しずつ選択肢から消えていきます。それは、自分自身を含むあらゆることが時間とともに移り変わっていくからです。そうした中で欲望の風味もまた、静かに変化していきます。
見た目や顔つきの変化
まず、私たちの体つきや顔つきは年齢とともに少しずつ変化していきます。たとえば、冒頭のポスト内で例示した、可愛らしいイメージのブランドのアイテムを持つこと。それは何歳になろうが不可能ではありませんし、禁止されているわけでもありません。
しかし、20代の自分が欲しかったものを40代の自分が身につけたとしても、もう似合わずしっくりこないことも多くあります。他人の目によるジャッジではなく、自分の感覚が「もう違う」と訴えかけてくるのです。
トレンドの変化
また、ファッションであればトレンドの移り変わりもあり、ブランドからもシーズンごとにどんどん新しいコレクションが登場します。もちろんタイムレスなアイテムも存在しますが、「10年前に流行ったよね」「それ懐かしいね」となってしまったものを身に付けるのと、流行のど真ん中で欲しいときに身に付けるのとでは、鮮度としても“体験”の価値としてもまったく異なるものです。
身体や食欲の変化
さらに、変化するのは外見だけではありません。若いときであればおいしく食べられたスイーツの食べ放題やヘビーな揚げ物などが、年齢を重ねるにつれて以前と同じようには楽しめなくなってきます。人によっては、大人になってから食物アレルギーを発症したり病気になったりして、食事制限が必要になることもあります。
「あのお店の特大パフェを食べる」といった小さな欲望は、いつでも叶えられるように思えるかもしれません。しかし、そうした小さな願いすらもいつの間にか「賞味期限切れの欲望」になってしまう可能性があるのです。
周囲の人々の変化
たとえば「今から会える?」と女友達と気軽に集まっていた時間。いつの間にか、結婚、出産、転職などでそれぞれのライフスタイルが変化していき、予定を合わせるにもひと苦労……という大人は多いのではないでしょうか。
とくに子育て中の人であれば、まずはパートナーの許可を得てから、子どもの預け先を見つけてから……といったふうに、自分ひとりの都合だけで決められることが減っていき、夜遅くまで出かけることもなかなか難しいでしょう。
ちょっと食事に行くだけでも日程調整が難しいとなると「いつかみんなで旅行に行きたいね」といった願いは、さらに実現が難しくなっていきます。ときに、それぞれの変化の中で気づかぬうちに疎遠になってしまう人も出てくるはずです。しかしそれは誰が悪いわけでもなく、時の流れの中で自然なことでもあります。
また、40代以降になると親など身内の介護や通院の問題が出てくる人も多いでしょう。自分の都合だけで物事を決められる期間は、人生の中でそう長く存在しないことを、自由な時間を失ってからようやく気づくものなのかもしれません。
