いつもと変わらないデートの帰り道
その日は、二人でよく行くショッピングモールを歩き、カフェでゆっくり過ごした一日でした。特別なイベントがあったわけではありません。ただ、隣にいる時間が心地よくて、それだけで十分だと思えるような休日。彼のT君と別れて電車に乗り、帰宅してソファに座ったとき、スマートフォンが震えました。画面には「今日も楽しかったね♡ また会おうね」という、いつもと変わらない温かいメッセージがありました。私は微笑みながら返信しようと、画面をタップしたのです。
違和感の正体に気づいた瞬間
返信を打とうとして、ふと手が止まりました。メッセージの差出人欄に表示されていたのは、見慣れたT君のアカウント名ではなかったのです。アイコンは彼の写真。でも、名前が微妙に違う。最初は「アカウントを変えたのかな」と思いました。しかし、よく見ると、私たちのこれまでのやり取りが一切残っていない、まっさらなトーク画面。胸の奥がざわつき始めました。「送り先を間違えた」。その可能性に思い至りました。
