カラスが減ると、増えてくる被害
そんな憎まれ役のカラスだが、個体数がさらに減少した場合、生態系にも影響を及ぼしかねないという。
「カラスは生ゴミだけを食べているわけじゃなくて、いろんな果実も食べます。ドングリやクルミなどはたまに貯食した場所を忘れてしまい、埋めておいたものが次の年に芽を出したりします。特に大きな果実はカラスでないと運べないようなものもあり、特定の植物の種子散布者としての役割もある。
そしてカラスは、生態系の中で高次消費者の捕食者としての役割を持っています。その結果、特定の生物が増えるのを抑制していると考えられています。
『カラスは怖いし、迷惑だからいなくなればいい』と考える人は多いと思いますが、カラスがこれ以上減るとネズミやドバトが増えたりして、結局巡り巡って人間へのしっぺ返しになってしまうことも考えられます。感情論ではなく科学的にカラスを見ていく必要があるのです」
東京都の担当者は「カラスの個体数は社会問題化する年代前の水準に戻っている」と認識しているとし、「再び増えないよう、引き続き生ゴミ対策など気を引き締めて対応する」と述べた。
都心で「カァー」という鳴き声が聞けなくなるのは、どこか寂しい気もするが、人間との共存では今くらいの数量が一番望ましいのか。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

