FIA世界耐久選手権(WEC)第7戦富士6時間レースは、折り返しを過ぎたタイミングでプジョー93号車が首位。トヨタ7号車は3番手につけている。
比較的静かにスタートしたWEC富士だが、レース開始15分過ぎにトヨタ8号車がアルピーヌ35号車から追突を受けるなど、一気にレースが動いた。
また、ペナルティも続発。フルコースイエロー中の手順違反でハイパーカークラス4番手を走っていたアストンマーティン009号車に痛恨のドライブスルーペナルティが科された他、LMGT3クラス2番手を走っていたユナイテッド・オートスポーツ95号車にはジャンプスタートの裁定。こちらもドライブスルーペナルティを受けてしまった。
コース上にデブリがいくつも落ちたことで、レース開始44分のところでVSC(バーチャルセーフティカー)が出された。ここで各車がピットイン。トヨタ8号車はここでダメージを受けたリヤカウルを交換した。
VSCからセーフティカー(SC)に切り替わり、レース開始1時間を過ぎたところでレースは仕切り直し。ダンロップコーナーでプジョー93号車がキャデラック38号車を攻略し、キャデラックのワンツー体制を崩すと、フェラーリ51号車もすかさず38号車をオーバーテイク。一気に上位の順位が変動した。
マイク・コンウェイからニック・デ・フリーズに交代したトヨタ7号車も、うまくアストンマーティン007号車を攻略し、13番手にポジションを上げた。
トヨタ8号車に追突したアルピーヌ35号車には5秒のストップ&ゴーペナルティが出された一方、8号車にはFCY中のエマージェンシーピットストップの手順違反で3分間のストップ&ゴーペナルティが下され、泣きっ面に蜂だ。
首位争いでは、キャデラック・ハーツチーム・JOTAの12号車にプジョー93号車が接近。レース序盤の1時間でSCが出るまでに8秒のリードを築いていた12号車の勢いは陰り、93号車が1秒以内に近づく瞬間もあった。ただその後、12号車が持ち直し再びリードを広げていった。
しばらくは落ち着いた展開が続き、ハイパーカークラスの各車が2回目のピット作業を行ない始めたタイミングで大クラッシュが発生。BMW15号車が300Rの入り口で挙動を乱し、ガードレールに激突してしまったのだ。
これでVSCが出された。まだピットストップを行なっていなかったチームに追い風となる展開となり、一気に順位が変動した。首位にはプロトン・コンペティションの99号車ポルシェが浮上。その後ろにプジョー93号車が続いた。
デ・フリーズの駆るトヨタ7号車は、見事なライン取りでポルシェ6号車をオーバーテイクするなど追い上げを続け、9番手付近までポジションアップしていたが、VSCを味方に一気に3番手まで浮上した。
ガードレールの修復も終わり、開始から2時間37分のところからレース再開。トヨタ7号車は最終コーナーで93号車のインに飛び込んだものの、オーバーテイクには至らなかった。
レース折り返しのところでハイパーカークラスは上位がひと固まり。ポルシェ99号車にプジョー93号車が、トヨタ7号車にキャデラック12号車が激しいプレッシャーをかける中で、レースは後半戦に突入。その直後、93号車が99号車の攻略に成功し、首位に立っている。
LMGT3クラスは、序盤から引き続きユナイテッド・オートスポーツ59号車マクラーレンが首位をキープ。佐藤璃音擁する僚機95号車は、クラス9番手となっている。

