日本野球機構(NPB)の12球団監督会議で、日本ハム・新庄剛志監督が主張したのは「ちょっとボール飛ばなくね?」だった。NPB公式球のことだ。この主張はごもっともで、昨シーズンの3割打者はわずか3人(セ2人、パ1人)、30本塁打以上はセ・パともに1人しかいなかった。
ボールの規格は世界共通(重量141.7グラム~148.8グラム、円周22.9センチ~23.5センチ)だ。日本では2019年からミズノ製のものが使われている。メジャーリーグ(MLB)公式球とは規格こそこの範囲内だが、NPB公式球は「飛ばないボール」としてMLBでも定着した。
「日本でMLBチームと公式試合をする際に、表裏の攻撃で日米それぞれのボールを使っていることはあまり知られてません」(野球担当記者)
一方で、真夏のオールスターゲームでは「飛ぶボール疑惑」が監督や選手から指摘されたことがある。一昨年の球宴第2戦ではセ・パ両軍でなんと44安打の乱打戦。全セの岡田彰布監督は「アレ、オールスター用のボールちゃう?」ときっぱり。昨年の球宴(第2戦)でも、セ・パ合わせて31安打5本塁打が飛び出した。
新庄監督は「(阪神の)佐藤くんは(本塁打)40本を打った。まぁまぁ何人か、合う人はいますよ」と言いながら、フリー打撃などで調子が良い選手が飛ばないボールの影響で「フォームを崩す背選手を何人も見てきた」と続けた。
この日の監督会議では、監督側がボールを半分に割って提言を行ったと明かした新庄監督だが、
「投手出身の監督たちはもちろん、ダンマリを決め込んでいたそうです」(前出・野球担当記者)
NPB公式球が現状のものになってから「投高打低」ははっきりしている。今年5年目の新庄監督は「ぶっちぎりの優勝」を公約としている。開幕前の手始めに、公式球の主張を発信するあたり、今季も楽しませてくれそうだ。
(小田龍司)

