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「アンパンマン」級の国民的キャラを普及…朝ドラ『ばけばけ』モデルの小泉八雲って何をした人?

「アンパンマン」級の国民的キャラを普及…朝ドラ『ばけばけ』モデルの小泉八雲って何をした人?


『連続テレビ小説 ばけばけ Part1 NHKドラマ・ガイド』(NHK出版)

【画像】え…っ! 「アンパンマン級」「超有名キャラやん」こちらが小泉八雲が普及させた“国民的キャラ”たちです(3枚)

国民的キャラを世界的に知らしめた?

 2025年度後期のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』は、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の妻、小泉セツをモデルにした物語です。ヒロイン「松野トキ」を高石あかりさん、「レフカダ・ヘブン」をトミー・バストウさんが演じます。

 前期の朝ドラ『あんぱん』は、やなせたかしさんと妻・暢(のぶ)さんをモデルにしていました。やなせさんは国民的キャラクター『アンパンマン』の生みの親として知られていますが、小泉八雲にはどのような功績があったのでしょうか。あらためて振り返ってみましょう。

 ジャーナリストで作家だったハーンは1890年、40歳のときに日本に来て、54歳で亡くなるまで日本で暮らし続けました。その途中で日本に帰化して「小泉八雲」に改名しています(この記事では「八雲」に呼び名を統一します)。

 八雲の功績としてひとつ目に挙げられるのが、日本の昔話や伝承を収集し、文学作品として昇華させたことでしょう。その代表作が『怪談』です。「耳なし芳一」や「雪女」、のっぺらぼうが登場する「むじな」など、いまもよく知られるエピソードが多数含まれています。ある意味、八雲も「国民的キャラクター」を広く知らしめた作者といえるのかもしれません。

 八雲は伝承や昔話を独自の語り口で書き直す「再話」という手法を使って、数々の物語を生み出しました。このとき、創作を支えたのが妻のセツです。セツは毎日のように自ら収集した怪談や民話を、目を患っていた八雲に語って聞かせました。八雲は、セツと二人三脚で多くの再話文学を生み出したのです。

 ふたつ目に挙げられるのが、明治時代の移りゆく日本の姿を書き記し、西洋に向けて発表したことでしょう。代表的な作品が、松江に住んでいる頃に著した作品集『知られぬ日本の面影』です。この中で八雲は、近代化の中で忘れ去られていく、日本人のならわし、衣食住、風景、信仰などを、同じ庶民の目線で記録しました。八雲は民俗学者ではありませんが、民俗学者としての資質があったことを多くの人が認めています。

 そして3つ目、八雲は当時の日本の英語教育にも大きな功績を残しました。島根県尋常中学校(現・島根県立松江北高校)と師範学校(現・島根大学)に英語教師として赴任した後、熊本の第五高等中学校(現・熊本大学)を経て、東京帝国大学(現・東京大学)英文学科講師になります。

 熊本に八雲を招聘したのは、柔道の創始者で大河ドラマ『いだてん』にも登場した嘉納治五郎です。「山のあなた」で知られる詩人で英文学者の上田敏は、東京帝大時代の教え子でした。東京帝大の英文学科講師を退任した後、後任となったのが夏目漱石です。優秀な教師だった八雲を意識していた漱石は、自作の『吾輩は猫である』と『三四郎』で「小泉八雲先生」と言及しています。

 西洋人だからといって偉ぶらず、偏見のない眼差しで日本を愛した八雲は、「オープン・マインド(開かれた精神)」の持ち主として評価されています。偏狭で差別的な考え方に陥らず、異文化を受け入れ、目の前にあるものを愛した八雲から学ぶことも多いでしょう。『ばけばけ』がどのような物語を紡ぐのか、楽しみにしたいと思います。

※高石あかりさんの「高」は「はしごだか」

配信元: マグミクス

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