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「○○特典ご案内」詐欺DMがXで急増 企業公式を装う悪質手口に潜入してみた

「○○特典ご案内」詐欺DMがXで急増 企業公式を装う悪質手口に潜入してみた

「○○特典ご案内」詐欺DMがXで急増 企業公式を装う悪質手口に潜入してみた

 日々繰り返し行われる、SNS上での詐欺。近ごろXにおいては、「○○特典ご案内」や「○○専用アカウント」などと称し、実在する企業の公式アカウントになりすます事案が多発しています。

【元の記事はこちら】

■ 業種問わず無差別に狙われる企業アカウント

 直近では、「ブラックサンダー」でおなじみの有楽製菓株式会社や、アース製薬株式会社などが公式Xにて注意喚起を行っています。

 アース製薬は、「多数の方からアース製薬X公式アカウントを偽る偽アカウントから、キャンペーン当選のご連絡の後、悪質なサイトへ誘導するDMの報告をいただいております」と投稿。本物は金バッジがついていることを強調し、通報を呼び掛けています。

 また、ブラックサンダー公式も「本アカウントになりすました偽アカウントが確認されております」とし、DMに記載されたURL等にはアクセスせずに削除するよう求めています。

 編集部で調査したところ、この他にもアニメイト、&honey、サントリー、ローソン、松屋、ドミノピザ、檸檬堂、ゴンチャ、綾鷹、JAL、サッポロビールなどが、同様のなりすましの被害に遭っているもようです。

 食品、飲料、航空、アニメショップとジャンルは多岐にわたり、知名度のある企業であればどんな企業でもターゲットになり得ると考えてよいでしょう。

■ 「ユニクロ」を騙るDMから「復興支援」詐欺へ……潜入してみた

 実は、同様の不審な連絡が2025年11月、筆者の元にも届いていました。その手口は非常に巧妙かつ、人の良心につけ込む悪質なものでした。

 当時届いたのは、「ユニクロ 運営お知らせ室」を名乗るアカウントからのDM。「キャンペーン結果発表 ヤフー×ユニクロ共同キャンペーン当選のご案内」とあり、リンク先でPayPayマネー(1000円~10万円分)が受け取れると記載されていました。

「ユニクロ 運営お知らせ室」を名乗るアカウントからのDM

 検証のため記載されたURLにアクセスすると、「九州応援キャンペーン 特典引換専用アカウント」と名乗るXアカウントが表示されます。

「九州応援キャンペーン 特典引換専用アカウント」と名乗るXアカウント

 そこからさらに誘導された先は、「Yahoo!JAPAN」の公式ロゴが使用された(偽の)Webページ。「引換締切まで残り3時間31分47秒」と早期にアクセスを促す表記は、公式にしては怪しさ満点です。下部にある「賞品引換はこちら」ボタンをタップすると、「LINE」へと誘導されたのでした。

下部にある「賞品引換はこちら」ボタンをタップすると、「LINE」へと誘導される

■ 「九州鹿児島がんばれ」と言わせる手口

 LINEで友だち追加したのは「ヤフー鹿児島特典引換アカウント」。送られてきたメッセージは、なんと「九州鹿児島地区の復興プロジェクト」を支援するという名目でした。

「本キャンペーンはYahoo公式とPayPayの共同主催によるもので、九州鹿児島地区の復興プロジェクトを支援し、地元の被災店舗を応援することを目的としています」

 そして、PayPayマネーを受け取る条件として提示されたのは、以下のメッセージへの返信です。

「このメッセージに【九州鹿児島がんばれ】とご返信いただくだけで、最低300円からのPayPayマネーをすぐに受け取れます」

 「復興支援」「がんばれ」といった言葉を使わせることで、ターゲットの警戒心を解き、「良いことをしている」と錯覚させる狙いがあるのかもしれません。

LINEで友だち追加したのは「ヤフー鹿児島特典引換アカウント」

■ 狙いは「PayPay ID」と個人情報

 ここは指示通り返信すると、「情報確認後、システムにより即時に300円分のPayPayマネーが自動付与され」「その後の簡単なミッションに参加すると、最大で約10万円分のPayPayマネーを獲得できる」という案内と共に、「PayPay ID(または登録携帯番号)」「年齢」「性別」「職業」といった個人情報の入力を求められました。

「PayPay ID(または登録携帯番号)」「年齢」「性別」「職業」といった個人情報の入力を求められる

 そこで、確実に利用者がいないことを確認済みである架空のPayPay IDと個人情報を送信してみました。すると……

「お客様、申し訳ございません。ご提供いただいたPayPay IDが検索結果に表示されておりません。入力内容に誤りがないか、IDの再確認をお願いいたします」

 すぐに既読が付き、直後にエラーが返ってきました。つまり相手側では、送信されたIDが実在するかどうかをリアルタイムで照合している可能性があります。もっとも、この種の詐欺では意図的にエラーを複数回発生させるケースも少なくありません。過去に潜入取材したクレジットカードを用いた手口では、あえてエラーを重ねることで、複数のカード情報を入力させようとする狙いが透けて見えました。

 ともかく、矢継ぎ早に指示を送り続けることで、相手に考える余地を与えないようにする狙いがあった可能性は十分に考えられます。これ以上の接触は危険と判断し、調査はここで打ち切ることにしました。

個人情報を入力すると即時エラーが

■ 「少額入金詐欺」の可能性も

 この手口は、おそらく「少額入金詐欺」や「タスク詐欺」の一種と思われます。

 最初に約束通りの少額(今回なら300円)を実際に振り込むことでターゲットを信用させ、その後「高額報酬を受け取るためには手数料が必要」「ランクアップが必要」などと嘘をつき、逆にお金を振り込ませたり、アカウントのログイン情報を騙し取ったりする手口です。

 これまでにも個人名や企業名を名乗る手口は見られましたが、今回のパターンは、より消費者に身近な企業の名を騙っているように感じます。

 日常的に目にする企業ロゴや、「復興支援」という言葉が使われていると、つい信用したくなってしまいますが、公式からの連絡かどうかを見極めるポイントはいくつかあります。

・バッジの有無: 多くの企業公式アカウントには「金バッジ」や「青バッジ」が付いています。

・IDと作成日: 偽物はIDがデタラメな文字列だったり、アカウント作成日が直近(数日〜数週間以内)だったりすることが多いです。

・フォロワー数: 大手企業にも関わらずフォロワーが極端に少ない場合は疑いましょう。

怪しいアカウントを見極めるポイント

 怪しいDMやメンションが届いた際は、安易にURLにアクセスせず、必ず企業の公式サイトや、認証バッジのついた本物の公式アカウントを確認するなど、自衛に努めるようにしましょう。

<参考・引用>
ブラックサンダー(@Black_Thunder_
アース製薬(@EarthOfficialJP

(山口弘剛)

Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By 山口 弘剛‌ | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2026012102.html

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