9月28日(日)、モビリティリゾートもてぎを舞台にMotoGP第17戦日本GPの決勝レースが行なわれ、フランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)が勝利を収めた。
今季圧倒的なパフォーマンスで勝利を積み重ねてきたマルク・マルケス(ドゥカティ)にとっては、世界タイトル確定がかかる重要な1戦。またホンダやヤマハ陣営にとっては母国戦で、ホンダのテストチームからは中上貴晶がワイルドカード参戦を果たした。また、日本人として唯一MotoGPクラスにフル参戦する小椋藍(トラックハウス・レーシング)にとっても今回が母国レースとなったが、怪我の影響により決勝は欠場を余儀なくされた。
日本GPの週末は天候に恵まれ、この日の天候はドライ。雲の隙間からは青空も顔を覗かせていた。
24周のレースが幕を開けると、バニャイヤがポールポジションから抜群の蹴り出しでホールショットを獲得。ペドロ・アコスタ(KTM)、マルク・マルケス、ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)がその後ろに続き、フロントロウスタートのジョアン・ミル(ホンダ)はその後ろ5番手に後退した。
今シーズンは苦戦が続いたバニャイヤだったが、ポールトゥウィンを果たした前日のスプリント同様、決勝でも好調。2番手アコスタ以下を引き離して2周目には既に1秒差をつけた。後続集団ではクアルタラロがバイクの挙動を乱してポジションを大きく落とした。
マルク・マルケスは11周目に、首位バニャイヤから引き離されていたアコスタをオーバーテイク。ミルもペースが落ちたアコスタを14周目に攻略して表彰台圏内に浮上した。アコスタとしては防戦一方となり、マルコ・ベッツェッキ(アプリリア)やフランコ・モルビデリ(VR46)にも交わされ、その後コースオフによって後方に転落していった。
トップを快走するバニャイヤは楽々トップチェッカーを受けるかと思われたが、次第にマシンから白煙が上がるシーンも散見されるように。レース後半にかけてその症状は強まり、トラブルの匂いを嗅ぎつけたマルク・マルケスが急激に接近した。
ファイナルラップの時点で2台の差は2秒。ドゥカティ陣営の祈りが届いたか、そこから差が縮まることはなくバニャイヤが優勝を手にした。
マルク・マルケスは2位表彰台を掴み、6年ぶり7度目のMotoGPクラスタイトル、ロードレース世界選手権では9度目のタイトルを確定させた。怪我、苦戦、移籍……全てを乗り越え、バイクの上で雄叫びを上げた。
ミルが3位に入り、ホンダに母国での表彰台を届けた。なお中上は残り4周というところでオーバーランを喫して転倒を喫した。

