友人からの突然の連絡
その日、仕事を終えてスマートフォンを確認すると、友人からメッセージが届いていました。「これ、Mが贈ったバッグじゃない?」という一文とともに、フリマアプリのスクリーンショットが添えられています。画面に映っていたのは、まさに私が以前Kさんにプレゼントしたブランドバッグでした。
最初は見間違いかと思いましたが、何度見ても同じもの。出品者のアカウント名を見ると、Kさんのものだとすぐにわかりました。私があげたものを、勝手に売ろうとしている。その事実に、胸の奥がざわつくのを感じました。悲しさと怒りが入り混じり、すぐにでも彼に連絡したい衝動に駆られたのです。
思わず目を止めた"説明文"
感情的になる前に、まずは出品ページをしっかり確認しようと思いました。証拠を集めてから問い詰めるつもりだったのです。けれど、商品説明を読み始めた瞬間、私の指は止まってしまいました。
そこには、こう書かれていました。「大切な人からもらった、思い出のバッグです。とても気に入っていましたが、新しい生活を始めるにあたり、手放すことにしました。次に持ってくださる方にも、たくさんの幸せが届きますように」。淡々とした文章の中に、確かな温もりがありました。「大切な人」という言葉が、何度も頭の中で繰り返されます。
